労災で休業中の社会保険について

業務中の災害が原因で仕事を休業した場合,従業員は,労災保険から,治療費などについては療養補償給付,賃金に代わるものとして休業補償給付を受けることができます。

労災については「神戸で労災の相談ができる弁護士を探している方へ」のページをご覧ください

では,労災で休業中の間,健康保険や厚生年金などの社会保険はどうなるのでしょうか。

従業員は,労災で休業中でも,健康保険の被保険者としての資格は継続しています。会社には,賃金を支払っていない間も,従業員の健康保険料を納付する義務があります。

労災で休業中に労災保険から支払われる療養補償給付は,労災によって負った傷害についてのみに給付されるので,労災とは関係のないケガや病気の治療費等については,健康保険を使うことになります。

そのため,労災で休業中だったとしても,健康保険に加入していないと困るのです。

また,健康保険料は,健康保険法で被保険者(従業員)と事業主(会社)が2分の1ずつ負担すると定められています。
会社から賃金が支払われていない場合でも,従業員には保険料の2分の1を支払う義務があるのです。でも,賃金からの天引きはできないので,①毎月,従業員から徴収する,②一旦,会社が立て替えて休業終了後に賃金から差し引く,などの方法をとるしかありません。

厚生年金保険についても,同様です。

トラブルを避けるために,事前に,会社と従業員との間で,支払方法を話し合っておいた方がよいでしょう。

なお,育児休業や介護休業の場合,会社からの賃金がストップしている間は,雇用保険から休業給付金が支払われます。
育児休業中は,会社,従業員共に,健康保険料,厚生年金保険料が免除となります。
しかし,介護休業中は,保険料納付義務があります。労災の休業中と同じです。

休業中の補償内容や金額については「労災について弁護士に相談・依頼するメリット」のページ内
『労災保険で補償されない主な損害』をご覧ください

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

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この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)