労災と介護補償給付

仕事中のケガや病気に伴う後遺障害により、将来にわたって自宅で介護を要する状態となる場合があります。

このような場合に、労災保険から将来の介護に必要な付添介護人の費用などは受給できるのでしょうか。

まず、業務や通勤に起因して被災し、労働者が常時または随時介護を要する状態にあり、現に介護を受けているときには、請求により、労災保険から「介護補償給付」(業務災害の場合)もしくは「介護給付」(通勤災害の場合)を受給することが可能です。

次に、受給するための要件は次のとおりとなっています。

➀障害(補償)年金または傷病(補償)年金を受ける権利があること

➁傷病による障害の程度が下表に該当すること

➂現に介護を受けていること

➃介護老人保健施設、介護医療院、身体障害者支援施設、特別養護老人ホーム等に入所していないこと

➄病院または診療所に入院していないこと

また、介護補償給付を受給できる障害の状態は、概ね次のとおりです。

㋐常時介護を必要とする方(障害等級、傷病等級1級程度の方)

㋑随時介護が必要とする方(精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、随時介護が必要な方)

なお、介護補償給付の額は月単位で支給され、障害の程度(常時介護か、随時介護か)、親族・友人・知人の介護の有無、介護費用の支出額などにより異なっています。
上限金額もありますのでご注意ください。

そして、介護を受けた月の翌月1日から起算して2年を経過すると、時効により権利が消滅しますので、注意が必要です。

後遺障害の程度などにより、介護補償給付の受給の可否やその額などは異なってきますので、支給対象となるか、またその額がいくらかになるかなどについては、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

仕事中のケガや病気など労災を巡る法的トラブルでお悩みの場合はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

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