新型コロナウィルス感染症と労災について

新型コロナウイルス感染症の患者が増大し、政府から7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されています。

 

こうした中で、労働者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合に、労災保険給付の対象となるのでしょうか。

今日はこの問題について考えてみたいと思います。

 

結論的には、業務又は通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。

 

新型コロナウイルス感染症の場合,通勤や仕事中における感染機会や感染経路が明確に特定され,感染から発症までの潜伏期間や症状などに医学的な矛盾がなく,仕事以外の感染源や感染機会が認められない場合に,業務起因性が認められて,労災と認定されます。

 

そして、新型コロナウイルスの感染が労災と認定されれば、治療費を労災保険から全額支給してもらい,仕事を休んでいる期間の給料の8割を補償してもらうことができます。

 

ただ、この場合に、業務に起因して発症とということは、被災労働者側が立証する必要があり、これが大きなハードルとなると思います。

 

例えば、病院で働いている医師や看護師の場合であれば,病院以外で新型コロナウイルスに感染する機会がなかったなら,業務起因性は肯定されやすいと考えられます。

 

また,接客などの対人業務において,新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した場合、同じ職場で、新型コロナウイルスの感染者が出ている場合なども、それ以外に、感染者との接触や感染機会が認められないときには,業務起因性が認められると考えます。

 

ただ、上記のとおり、被災労働者において、感染経路を特定する必要があり、これを証明するのはなかなか難しいと思います。

 

そのため、新型コロナウイルスに発症に、労災申請をする場合には、感染者とどこでどのように接触したか、発症前の自らの行動などをしっかりとメモや記録に残しておくことが必要になると思います。

 

それから、労災の場合のもう一つの問題は、国から労災と認定されるためには、その手続きに、恐らく半年以上かかるということだと思います。

 

なお、新型コロナウイルスに発症に仕事を休んだ場合、労災が難しい場合でも、健康保険から傷病手当金の支給(給与の6割程度)は受けることはできると思います。

 

業務上の疾病など労災でお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

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