<解決事例> 長時間残業の過重労働による脳・心臓疾患の労災認定について
先日、ある会社に勤務していた方が、仕事中に脳出血で倒れて、高次脳機能障害と左半身麻痺の後遺障害が残ったため、労基署に対して労災認定の申請をしていた事件があり、障害等級2級の労災が認められました。
この方は、管理職の方で、脳出血を発症する前の6か月から1年間は、1か月に100時間以上の残業をしていました。
ただ、この方は、自分が管理職のため、労災申請はできないと思っており、当事務所に相談に来られた際には、発症後、3年以上経過したあとでした。
相談を受けてから、まず、勤務先に対して、勤怠管理表の提出を求めるとともに、通勤に利用していたICカードの履歴の開示を求めるなどして、発症前、6か月間の労働時間と時間外労働時間の調査と把握を行いました。
次に、主治医と面談の上、現在の症状や後遺障害について聞き取りを行うとともに、労災の障害給付の診断書の作成を依頼しました。
そのうえで、勤務先の人事担当と面談して、労災申請を行う旨を伝えるとともに、相談者の担当業務や時間外労働の状況などについて確認し、労災の申請書類への証明を依頼しました。
そして、申請書類を揃えて、労基署に出向いて労災申請をするとともに、相談者の担当業務の内容や時間外労働の状況などについて、資料を提出して説明を行いました。
これらの結果、相談から約1年と2か月、労災申請から約7か月で、労災として認められ、障害給付を受けることができるようになりました。
障害給付の額は、毎月30万円を超える支給が認められ、今後、生涯にわたって給付を受けることができます。
今後、勤務先との間で、労災では補償の対象となっていない、慰謝料や逸失利益の請求を行うこととなりますが、まずは一段落ということです。
過重労働による脳・心臓疾患の労災が認められるためには、発症が業務による明らかな過重負荷によるものであることを立証する必要があります。
そのため、労災認定を受けるためには、発症前の仕事の内容や時間外労働時間の把握、勤務先や主治医との交渉・調整、労基署への説明などが必要となり、通常の労災申請と比較すると、相当な時間と作業が必要となります。
また、専門的な知識や経験なども欠かすことはできないと思います。
当事務所では、これまで、過重労働による脳・心臓疾患の労災認定について、数多く扱っており、専門的な知識とノウハウを持っています。
過重労働による脳・心臓疾患の労災認定など、労災に関することでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所まで、ご相談ください。