夫婦間の借金について

夫婦の間でお金の貸し借りをした場合に、返済する必要はあるのでしょうか。

婚姻中に夫婦の間で借金をした場合でも,原則としては,返済する必要があります。

例えば,妻が自分の親の借金返済のために夫からお金を借りた,夫が趣味のギャンブルのため妻からお金を借りた,等の場合は,返してもらえます。

利息や返済の時期は,夫婦間の合意(契約)に基づきますが,夫婦間のことなので,合意をしていなかった場合は,利息は法定利息,貸した方が返済時期は相当の期間を定めて催告(返済するように伝えること)した後,ということになります。

一方で,夫婦は,婚姻中に生じた費用(婚姻費用)を分担します(民法760条)。婚姻費用とは,その家庭の収入や地位などに基づいて,通常の社会生活を維持するために必要な生活費,のことです。(婚姻費用については「婚姻費用分担の請求について)」をご覧ください

そうすると,夫婦間の借金が,この婚姻費用に充てるためだった場合は,もともと分担するものなので,返済しなくても良いことになります。例えば,専業主婦の妻が,夫から受け取る毎月の生活費が足りなくて,夫から借金をして,日々の食費に充てる,子どもの塾代に使う,などが理由なら,妻は夫に,返さなくてもよいことになります。

夫婦間の借金が問題となるのは,夫婦関係が悪化したときや,離婚するときが多いでしょう。

離婚時には,一般には,婚姻中に築いた財産や債務を分ける財産分与という清算をします。財産分与は,夫婦が協力して得た財産や,共有財産を平等に分ける作業です。この際,夫婦間に借金があれば,その借金の清算をすることになります。

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)