離婚後の子の「姓」の選択について

夫婦が離婚した場合に、子どもの「姓」は、どのようになるのでしょうか?
 
まず、子の「姓」の変更については、民法791条がルールを定めています。
夫婦が離婚した場合、親権者である母親が旧姓に戻しても、子の姓が母親の姓と同じになるわけではありません。
 
子が母親と同じ姓となるには、家庭裁判所の許可を得て、市区町村に届け出る必要があります(民法791条1項)。
子の姓の変更許可を得るには、子の住所地の家庭裁判所に申し立てなければなりません。備え付けの申立書がありますので、詳しくは家庭裁判所にお問い合わせください。
 
子の姓の変更手続きは、子が15歳未満であるとき、その法定代理人である母親が代わって行います(民法791条3項)。
 
それでは、母親の姓に変更した子が大人になった場合、自らの意思で両親の姓のいずれかを選ぶことができるのでしょうか?
 
民法791条4項によると、子が母親の姓に改めた場合、子が20歳になって1年以内であれば、父親の姓に戻すことができると定めています。
この場合、離婚した際に母親の姓に改める場合と違って、家庭裁判所の許可は不要です。
 
ですので、子が20歳になったときに、母親の姓ではなく、父親の姓に戻したいと考えるのであれば、20歳になって1年以内という制限はありますが、その期間内に本人が市区町村に届け出ることで、父親の姓に戻すことができます。
 
子が姓の変更を行うには、必要な書類をそろえ、戸籍法に定めた方法で市区町村に届け出なければなりません。
詳しくはお住まいの市区町村の担当課にお問い合わせください。