離婚における財産分与と確定拠出年金①

近年、企業では、従来の退職金を見直し、確定拠出年金を導入する企業が増加しています。

では、夫婦の一方が確定拠出年金を有する場合、夫婦が婚姻期間中に築き上げてきた財産として、財産分与の対象となるのでしょうか。

まず、確定拠出年金とは、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受け取る制度のことです。

公的に年金(国民年金、厚生年金)に上乗せして給付を受ける確定拠出年金法に基づく私的年金であり、個人が掛金を負担する「個人型」と企業が掛け金を負担する「企業型」の2つの制度があります。

「個人型」の加入対象は、当初自営業者等に限定されていましたが、平成29年1月以降は、基本的に公的年金制度に加入する60歳未満の全ての人が加入対象となりました。

これに対し、「企業型」の加入対象は、原則として、会社員などの厚生年金保険の被保険者(公務員を除く)に限られます。

確定拠出年金は、年金資産を加入者自身が運用し、その結果の損益に応じて受給額が決定されるものであり、将来の受給額は保証されず、拠出金の運用は、加入者の自己責任で行われます。

また、年金資産は、個人別に管理され、残高の把握や転職時の資産の移行が容易に行うことができます。

なお、原則として、加入後は制度からの脱退はできず、60歳までは離転職しても払戻しはされません。

確定拠出年金として積み立ててきた年金資産は、60歳以降に、一時金もしくは年金として受け取ることができます。

このように、確定拠出年金は老後の資産を形成するものですが、離婚時年金分割の対象外とされています。

年金分割の対象とならないとして、財産分与が認められるかどうかは、次回に検討したいと思います。

離婚における養育費や財産分与など、夫婦間の法的なトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

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