労災保険における日雇い労働者の平均賃金
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労災保険において、休業補償などの額は、平均賃金により計算されることとなります。
すなわち、ここでいう平均賃金は、一般的な会社員の給与相場という意味ではなく、労災保険や休業手当における補償や手当の額、減給の制裁額などの算定基準となるものです。
(労働問題を弁護士に依頼する場合の報酬や、労働問題の解決事例は、労働問題は弁護士にご相談くださいをご覧ください)
日雇い労働者の平均賃金を算出するには
では、日雇い労働者の場合、この平均賃金はどのように算出するのでしょうか。
平均賃金の規定は労基法第12条に置かれていますが、「日々雇い入れられる者」については原則的な方法により難いため、特殊な計算方法が定められています。
ここでいう「日々雇い入れられる者」とは、「1日の契約期間で雇い入れられ、その日限りで契約終了する者であって、日々更新されたとしてもその性格を変えるものではない」(昭 21.9.15基収第4025号)と解されています。
一方、派遣法でいう「日雇派遣労働者」は、「日々または30日以内の期間を定めて雇用される者」を指します(「日雇派遣指針」)。
両者の定義は必ずしも一致しませんが、日雇労働者の平均賃金の計算方法は、「日々雇い入れられる者の平均賃金を定める告示」(昭38・労働省告示第52号)により規定されています。
日雇労働者が「使用された期間がある場合」には、➀ 平均賃金の算定事由発生日以前1ヵ月間の賃金総額を労働日数で除した金額の100分の73を平均賃金とします。
(その際、1ヵ月における実労働日数の多少は問わないものであり、稼働率は考慮せず一律に100分73を乗じます)
例えば、1か月間の賃金総額が20万円で、労働日数が25日の場合は、20万円÷25日×0.73で、平均賃金は5840円となります。
しかし、賃金総額・労働日数は「事由発生日の前日」から計算するので、就労初日に事故が発生すれば「使用された期間」が存在しません。
➀により算定し得ないときは、➁平均賃金の算定事由発生日以前1ヵ月間に「同一事業場で同一業務に従事した日雇労働者を対象として、➀と同様に計算した額を用います。
ただし、「➀➁により算定し得ない場合または日雇労働者または使用者が不適当と認め申請した場合」には、➂都道府県労働局長が定める金額(昭38・10・26基発第1281号)となりますが、「日額で定められているときは、その金額の100分の73とする」等の計算方法が列挙されています。
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この記事の執筆者:津田 和之 弁護士

神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)
神戸山手法律事務所の津田弁護士は、理論と実践の両面で、労災問題に精通しています。
- 地方公務員の労災制度において、地方公務員災害補償基金の訴訟担当弁護士を務めていること
- 関西学院大学のロースクールで、労災保険制度を含む社会保障法や行政法の講義を担当していること
- 約20年間にわたって公務員としての勤務経験があること
神戸山手法律事務所の、つまり津田弁護士のモットーとして大切にしている「まじめに生活している人を守りたい」という想いについて綴った記事「まじめに生活している人を守りたい」理由~『偏見の心』」では、津田弁護士の人柄や弁護士としての矜持も伺える内容となっています。併せてご覧ください。
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