個人再生と住宅ローン

借金の返済で困られている方から、住宅ローンで購入した自宅を何とか残すことはできないかという相談を受けることがあります。
今回は、そのような場合の対処方法として、個人再生の「住宅資金特別条項」について紹介します。

住居(戸建、マンション)を住宅ローンで購入した場合、破産をすると、住宅ローンも債務のうちですから、免責(債務の免除)の対象となり、支払う必要はなくなりますが、住居は担保に入っているので、競売にかかり、手放さないといけません。

しかし、個人再生では、一定の条件を満たした場合、住宅ローンのみ債務カットせず、そのまま払い続けることができ、その結果住宅を手元に残すことができます。

このように、住宅ローンだけ債務カットせずに支払いを続けて住宅を手元に残す方法を、『住宅資金特別条項付個人再生』といいます。
破産の場合、必ず住宅は手放さなければいけないので、大きなメリットです。

従って、借金の返済に困ってはいるが、個人再生により一般の債権をカットしてもらえば、住宅ローンを払い続ける余力がある場合は、『住宅資金特別条項付個人再生』を検討すべきです。

ただ、この「住宅資金特別条項」を利用するためには、一定の要件を満たすことが必要であるとともに、住宅ローンは最終的には全額を返済する必要があります。
また、住宅資産価値のほうがローンよりも大きい場合、住宅ローンが残っていない場合は処分対象になるので注意が必要です。

そのため、『住宅資金特別条項付個人再生』を利用できるかどうかは、弁護士によく相談した方が良いでしょう。

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)