社外行事と労災について

労働者が会社主催の宴会や社員旅行に参加して、事故に遭った場合に、労働災害として認められるでしょうか。

今回は、このような問題について考えてみたいと思います。

 

今回の場合、宴会や社員旅行などの事故が「業務上」といえるかが問題となります。

労災は、「業務上」の事由や通勤による働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して必要な給付を行う制度です。

 

そして、「業務上」とは、業務と傷病等との間に一定の因果関係(業務起因性)が存在する場合に認められます。

その場合に、「業務上」の判断は、①「業務」といえるか(業務遂行性)、②業務「上」といえるか(業務起因性)の2点から判断されます。

 

判例では、社外行事中の事故については、「労働者が事業主主催の懇親会等の社外行事に参加することは、通常労働契約の内容となっていないから、社外行事を行うことが業務運営上緊要なものと客観的に認められ、かつ労働者に対しこれへの参加が強制されているときに限り、労働者の社会行事への参加が業務行為になると解するのが相当である。」としています。

これは、会社主催の親睦や慰労などを目的とする社外行事については、原則としては、「業務上」といえないため、㋐社外行事の事業運営上の緊要性と②参加の強制という要件を満たさない限りは、労働災害とは認めないという立場だと思われます。

 

他方で、業務と認められるようなもの、例えば、得意先との接待などについては、労働災害の対象となりうると考えられます。

 

労働災害などでお悩み方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

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この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)