交通事故による死亡慰謝料について
交通事故によって死亡した場合に、その慰謝料の額はどの程度になるのでしょうか。
その額は、年齢や性別など、死亡した方の属性により異なるのでしょうか。
また、愛する家族を突然失った近親者の精神的な苦痛に対する慰謝料は認められるのでしょうか。
裁判における一般的な死亡慰謝料
具体的な斟酌事由により増減されることがあるので、以下の額は一応の目安となっています。
➀死亡した方が一家の支柱であった場合は、2800万円
「一家の支柱」とは、「当該被害者の世帯が,主として被害者の収入によって生計を維持している場合」を言います。
また、「それ以外(一家の支柱以外)の場合で,例えば家事の中心をなす主婦,養育を必要とする子を持つ母親,独身者であっても高齢な父母や幼い兄弟を扶養しあるいはこれらの者に仕送りをしているものなど」の場合は、「一家の支柱に準ずる」として、同様に取り扱われます。
➁母親、配偶者であった場合は、2500万円
主に家事に従事している専業又は兼業の主婦の方を想定しています。
➂その他の場合は、2000~2500万円
➀や➁以外の子ども、高齢者や同居の家族などを想定しており、多くの場合は2200~2300万円程度だと思われます。
高齢者であっても、家事を手伝っていたり、家業の農業を手伝っている場合には、増額の要素として考慮されることとなります。
他方で、高齢であるから、余命が短いということなどは、減額の要素にはなりません。
そして、近親者固有の慰謝料は、基本的には、上記の慰謝料に含まれているとされています。
裁判では、上記の慰謝料の範囲内で、近親者が配偶者であれば100万円~300万円、子どもであれば100万円程度認められることが多いと思われます。
例えば、夫、妻と子どもの3人の家庭で、一家の支柱であった夫が死亡した場合は、慰謝料の総額は2800万円とすると、亡夫の死亡慰謝料が2500万円、妻の固有の慰謝料が200万円、子どもの固有の慰謝料が100万円というようになります。
それと、死亡慰謝料や近親者固有の慰謝料の額は、あくまでも目安ですので、具体的な事情(事故の態様や悪質性、生計の状況、家庭での貢献など)を詳細に主張することが必要となります。
これ以外にも、死亡交通事故の場合には、逸失利益や葬儀費用なども詳細に主張する必要があります。
これらのことは、愛する家族を失われた遺族の方には、非常な負担となると思われますので、近くの弁護士に相談することをお勧めします。
死亡事故など交通事故を巡る法的トラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。
なお、当事務所では、交通事故の被害者や遺族の方は、初回法律相談は無料としています。