交通事故の若年労働者の逸失利益
交通事故で後遺障害が残った場合に、後遺障害等級の等級と認定はどのような手続きで行われるのでしょうか。
これについては「後遺障害等級認定について」のページで神戸山手法律事務所の弁護士が詳しく解説しています。
交通事故の被害者に後遺症が残った場合は、被害者の事故前の基礎収入を元に、症状固定時から67歳までの就労可能期間と後遺障害の等級に応じた労働能力喪失率をかけて、逸失利益を求めることとなります。
この場合に、被害者の基礎収入は、原則として、源泉徴収票や所得証明に基づく前年度の所得となります。
ただ、こうした場合に、日本では年功序列賃金など、一般的に、年齢とともに所得が増えていくという関係にあるため、概ね30歳以下の若年労働者については、不利になります。
そのため、事故当時概ね30歳未満の若年労働者の場合には、全年齢平均の賃金センサスを用いることとされています。
毎年実施されている政府の「賃金構造基本統計調査」の結果に基づき、労働者の性別、年齢、学歴等の別に、その平均収入をまとめた資料をいいます。
賃金センサスは、交通事故において、主婦の方の休業損害や後遺症を負った場合の逸失利益を計算するためなどに活用されています。
例えば、被害者が28歳の高卒の男性で、事故前年の所得が360万円であった場合、逸失利益の算定の際の基礎収入は、360万円ではなく、高校卒男性の全年齢平均の481万1100円(平成30年賃金センサス)となります。
ただ、この場合に、注意すべき点は、算定にあたって使用される賃金センサスは、被害者の学歴に応じた全年齢平均の賃金センサスであり、全学歴の全年齢平均の賃金センサスではないということです。
上記の例でいうと、平成30年の賃金センサスでは、高校卒男性の全年齢平均は481万1100円ですが、全学歴の全年齢平均は558万4500円と後者の方が100万円近く高額となっています。
では、この場合に、全学歴の全年齢平均の賃金センサスを使用することはできないのでしょうか。
この点については、若年労働者が、当時就いていた仕事や収入状況などを勘案して、将来、全学歴の全年齢平均の賃金センサスの平均賃金を得られる蓋然性があれば、それが認められるケースがあります。
なお、逸失利益の算定の際の基礎収入について、実際の収入額よりも高い額を認めてもらうためには、将来それを得ることができた蓋然性について詳細に立証する必要があります。
交通事故の被害者に後遺障害が残った場合には、後遺障害の等級に応じて、将来の逸失利益を損害賠償として請求できます。
これについては「交通事故における後遺障害の逸失利益の算定について」のページで神戸山手法律事務所の弁護士が詳しく解説しています。
交通事故の治療により会社の欠勤が長引いた場合、翌年度の有給休暇が減らされることがあります。事故がなければ出勤率を維持できたわけですから、有給休暇を取得できたはずです。このような有給休暇の喪失分は損害として加害者側に請求することができるでしょうか。
これについては「交通事故による将来の有給休暇の喪失」のページで神戸山手法律事務所の弁護士が詳しく解説しています。
交通事故に遭ったら弁護士に相談することで大きなメリットがあります。詳しくは交通事故の弁護士を神戸で探している方へのページをご覧ください。







