交通事故による耳鳴りや難聴
交通事故により頭部や頚部を受傷した場合に、耳鳴りや難聴などの症状が出ることがあります。

例えば、頸椎捻挫、いわゆるむち打ち損傷の約7%で耳鳴りや難聴が発症すると言われています。
交通事故直後、被害者は耳鳴りや難聴に気づかない
ただ、被害者の方は、交通事故直後、頭痛や頚部痛などの痛みが強く、耳鳴りや難聴に気づかない場合が多くあります。
また、

耳鳴りや難聴に気づいても、しばらくすると治まるのではないか。
と思ったり、

整形外科の医師に言っても「耳鼻科に行きなさい」って言われるだろうから、言わなくてもいいか。
と考えたりして、主治医にきちんと症状を申告していないケースが見受けられます。
時間が経過後、耳鳴り・難聴の訴えは損害賠償を拒否される?

会社
事故からだいぶ時間が経っていますから、今ごろ「耳鳴りや難聴がある」、と訴えられても損害賠償できませんよ。

このように、交通事故からしばらく経過した後、数週間~1か月以上経過した後で耳鳴りや難聴を訴えても、保険会社は交通事故の直後に訴えがなかったことを理由に、耳鳴りや難聴は交通事故が原因ではないなどとして、損害賠償を否定する傾向にあります。
さらに、耳鳴りや難聴があるために、耳鼻科に受診しても、その医師が交通事故による受傷についての経験が乏しい場合などは、きちんとした治療が受けられなかったり、十分な後遺障害の診断書の作成ができないために、耳鳴りや難聴などの後遺障害があるにもかかわらず、後遺障害の認定が受けられないケースもあります。
したがって、交通事故に受傷した後に、耳鳴りや難聴の症状がある場合には、主治医にきちんと訴えてカルテに記載してもらうことが、まず重要です。

できれば、自覚症状があれば、事故後1週間以内には、主治医に耳鳴りや難聴の症状を訴えて、カルテに記載しておいてもらうことが望ましいでしょう。
そのうえで、耳鳴りや難聴について、交通事故や労災などを多く扱っている信頼できる耳鼻科に受診することが大切です。
耳鳴りや難聴は、耳鳴り検査で耳鳴りが確認され、かつ聴力検査で感音難聴が確認されている場合は、後遺障害の障害等級12級が認定されます。
後遺障害12級が認められると、慰謝料だけでも280万円程度(裁判基準)が認められます。
ただ、上述のとおり、事故後にきちんと主治医に症状を訴えていなかったり、受診した医師が十分な知識や経験がなかったために、耳鳴りや難聴の後遺障害があるにもかかわらず、後遺障害の認定を受けていないケースが相当あると思われます。
そして、交通事故で、耳鳴りや難聴などの症状がある場合は、早期に、その分野に精通した弁護士への相談することをお勧めします。
当事務所では、交通事故を原因とする耳鳴りや難聴のケースを多く取り扱うとともに、ケースによっては、信頼できる医療機関(耳鼻科)を紹介することも可能です。
交通事故による耳鳴りや難聴でお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。