労災保険と障害年金の関係について

労災事故により後遺障害が残った場合に、労災保険から障害年金を受けることができますが、その障害が厚生年金の障害年金の対象となる場合に、労災年金と厚生年金の両方を受け取ることはできるのでしょうか。

 

それについては、 厚生年金は全額受け取れますが、労災年金は調整されるため全額を受け取ることはできません。

 

例えば、障害厚生年金と障害補償年金(労災年金)を受け取る場合、労災年金の額は減額され支給されることになっています。

しかし、障害厚生年金はそのまま全額支給されることになります。

 

ただし、この減額に当たっては、調整された労災年金の額と厚生年金の額の合計が、調整前の労災年金の額より低くならないように考慮されています。

 

この調整は、両制度からの年金が未調整のまま支給されますと、受け取る年金額の合計が、被災前に支給されていた賃金よりも高額になってしまうからです。

また、保険料負担について、厚生年金保険は被保険者と事業主とが折半で、労災保険は事業主が全額負担していることから、事業主の二重負担の問題が生じてしまうためであると説明されています。

 

具体的な調整内容は、障害補償年金(労災年金)を受け取っている人が、障害厚生年金を受け取る場合、障害厚生年金を全額受け取ることができますが、労災年金は0.83の調整率がかけられ全額を受け取ることはできなくなります。

 

しかし、両方の全額を受け取れないだけであり、どちらか一方だけより、支給額は多くなりますから、労災年金と厚生年金の両方を請求する意味は十分にあります。

 

労災事故や労災保険、障害年金などでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

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この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)