賃貸借契約と敷金について(1)

土地や家などを借りる時に,敷金,礼金,保証金などを初期費用として支払うことが多いと思います。これらは,地域によって呼び方が異なるものの,契約終了時に,未払い賃料や修繕費など借主が負担すべき費用に充てるために,事前に貸主に預けておく金銭であることが多いでしょう。

さて,次のような場合は,貸主Aはどうしたらいいでしょうか。
(事例)
Aは,Bに,賃料月額10万円で,アパートを貸しました。敷金は20万円で,賃貸借契約時に支払われています。
Bは,半年間は賃料を支払っていましたが,7カ月目の賃料を滞納しました。そのため,AはBに対して賃料を支払うように請求したところ,Bは「支払った敷金を充てておけばいいだろう」といって,支払ってくれません。

答えを先にいいますと,このようなBの言い分は認められません。借主から,敷金の分は賃料を支払わない,とは主張できないのです。なぜなら,敷金は,貸主が賃貸借契約終了後に,借主に負担すべき債務があった場合の担保として,貸主が事前に預かっているものであり,借主側が賃料を前払いしたものではないからです。
そのため,AはBに賃料を請求でき,Bが支払わない状態が続けば,Aは,賃貸借契約を解除することができます。

これまで,判例はこのような見解を採ってきました。
そして,2020年4月1日に施行される改正民法でも「賃借人は,賃貸人に対し,敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない」(第622条の2第2項)と規定されています。

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

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