養子縁組とは

養子縁組とは、一般的には、血のつながりのない者同士を法的に親子と認める制度のことです。
養子縁組が成立すると、成立日から、血のつながった親子と同様の親子関係が法的に認められます(民法727条)。

養子縁組には、「普通養子」と「特別養子」という2つの種類があります。
大きな違いは、養子と実の親の間に、法的な親子関係が続くかどうかです。

普通養子では、養子となっても、実親との法的な親子関係がなくなるわけではありません。「養子と実親との親子関係」と「養子と養親との親子関係」が併存するのです。

他方、特別養子では、養子縁組によって、実の親との法的な親子関係がなくなります。
特別養子は、虐待された児童や棄て児など、子どもを保護するべき特別な事情があるケースを想定した制度です。

今回は、普通養子について説明したいと思います。

まず、普通養子は、次の3つの要件を満たす必要があります。

1 養親が成人していること。

2 養子が養親より年下であること。

3 叔父・叔母など尊属は養子にできない。

次に、未成年者を普通養子にするには、原則として家庭裁判所の許可を得ることが必要です。
家庭裁判所の許可は、審判によって行われるので、養親となる者が申立人となって「養子縁組許可申立」を行います

家庭裁判所では、当事者の事情を詳細に調べるため、養子本人、実親などの養子の親権者、養子の未成年後見人の陳述を聴取することになっています。

したがって当事者は、家庭裁判所に呼び出されて調査官や裁判官からの質問を受けたり、不明点について書面で紹介をされたり、場合によっては生活環境確認のために住居を訪問されることもあります。

このような調査を経て、裁判官が、養子縁組が養子にとって妥当と判断したときに、未成年の養子縁組を許可する審判が下されることとなります。

そして、養子縁組許可審判書により市町村に戸籍の届出をすると養子縁組が成立することとなります。

なお、養子が成年である場合は、家庭裁判所の許可は不要です。

養子縁組が成立すると、養子と養親は、法律上、親子関係となりますので、相続が扶養義務が発生することとなります。

養子など家族関係を巡る法的なトラブルでお悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。