児童公園における事故と国家賠償法について

市が設置した児童公園のブランコに乗って遊んでいたところ、突然、ブランコを支えていたロープが切れて、子どもが重傷を負いました。

このような場合に、誰に対して、どのような損害賠償請求ができるのでしょうか。

本件のように、市の児童公園において設置、管理に起因する事故が生じたときは、国家賠償法2条の適用が問題となります。

国家賠償法2条に基づく損害賠償責任が発生するためには、「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたこと」が必要です。

ここにいう「公の営造物」とは、国または公共団体の特定の公の目的に供される有体物ないし物的設備をいうとされ、公園、公園内のブランコやすべり台などの遊具もこれに含まれます。

次に、「設置又は管理の瑕疵」における「瑕疵」とはその物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、過失の存在は必要としません。

そして、通常有すべき安全性を具備するか否かは、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的に判断されます。

本件のようなブランコは、子どもが乗って遊んでも、安全であることが当然求められますし、通常の利用方法ではロープなどが切れないように管理する必要があることから、管理の瑕疵が認められる可能性が高いものと思われます。

また、その場合に、市が設置した公園ですので、管理の責任は市にあるものと認められます。

したがって、本件において、市に対して、国家賠償法2条に基づいて、市にブランコの管理の瑕疵があったことを理由として、子どもの治療代、慰謝料、後遺障害などの損害賠償請求をすることが可能となります。

道路、公園、河川、学校など公的な施設における事故などの法的なトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。
当事務所では、これらの事故については、遠方であっても、全国的に対応すること可能ですので、一度、ご相談ください。

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

LINEからのお問い合わせも受け付けております。

QRコード

1) 左のQRコードを読み取るか、
2)「@955nykpk」で検索し、友達追加して下さい。
 友だち追加後、自動あいさつメッセージが届きますので、内容をご確認後、ご返信ください。

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)