百条委員会とは
東京都の猪瀬直樹知事が、医療法人「徳洲会」グループから5000万円の資金提供を受けていた問題をめぐり、辞任を表明しました。
辞任の直接の要因は、この資金提供の問題を審議するために、都議会に「百条委員会」が設置される動きがあったためと言われています。
この百条委員会とはどのようなものでしょうか?
今日はこの問題について考えてみたいと思います。
まず、「百条委員会」とは、地方議会が設置する特別調査委員会のことです。
地方自治法の第100条には、地方議会は「自治体の事務について調査し、関係者の出頭や証言を求めたり、記録の請求ができる」とあります。この第100条に基づき、必要に応じて地方議会が議決、設置するのが「百条委員会」です。
そして、百条委員会とほかの委員会の最大の違いは「調査権」にあります。議会には常任委員会や特別委員会が常設されていますが、これらの委員会は調査権までは認められていません。
しかし、百条委員会には、調査対象となっている関係者の出頭や証拠提出を求めることのできる「調査権」があり、正当な理由なく証言を拒んだりすると、禁錮や罰金が課せられる罰則規定があります。虚偽の証言を行ったときも同じです。百条委員会では、証言を二転三転させたりした場合、「偽証」に問われる可能性もあるわけです。
つまり、百条委員会が持つ調査権は、衆参両院における「国政調査権」と同じ性質のものといっていいでしょう。
したがって、百条委員会が設置された場合、猪瀬知事が理由もなく答弁を拒んだり、虚偽の答弁をした場合には刑事罰が課せられることになります。
このように、百条委員会とは強力な権限を持っています。
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