交通事故の物損の賠償額

今回は交通事故による自動車の修理費について考えたいと思います。

例えば、交通事故で壊れた自動車が、新車価格200万円、現在の中古車市場での売値100万円、買値80万円、修理費が120万円とした場合、自動車自体の物的損害として、どの金額が認められるのでしょうか。

答えは、中古市場での売値(時価)である100万円です。

基本的に物損事故の場合、車両自体の損害は、修理費と時価のいずれか安い方とされています。

これは、物が壊れたらその値打ち、すなわち時価を所有者に賠償するのが原則です。

自動車の場合、修理して乗るというのが社会的に常識とされていることから、時価よりも修理費が安い場合には修理代を賠償することとされています。

ただ、他方で、修理費が、新たに同形式、同年式の車が買える値段を超えて修理する人は、通常いませんから、修理費が中古車市場の売値を超える場合には、売値が損害額となるのです。

しかし、交通事故の被害者の方からすると、まだ乗るつもりだったのに、修理に必要な費用が出ないのはおかしいとも思いますが、法的に請求できる上限は、上記のとおり、修理費と時価のいずれか安い方となるのです。
(「損害賠償」のページも併せてご覧ください。)

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)