婚約不履行と損害賠償について

婚約とは、将来結婚しようという当事者間の契約のことをいいます。

婚約した場合には、誠意をもって交際し、夫婦共同体を成立させるよう努める義務を負い、一方から婚約を解消する場合には、正当な理由がない限り損害賠償責任を負うことがあります。

 

しかし、交際中の男女の付き合いにおいては、いつをもって婚約したと判断すべきなのか、必ずしも明確ではありません。

今日はこの問題について一緒に考えてみたいと思います。

 

婚約は、当事者の意思の合致により成立します。判例は誠心誠意、将来夫婦になることを約束すれば婚約が成立するとしており、結納等の一定の形式は必ずしも婚約成立には必要ではありません。

 

他方で、具体的には、口頭での婚姻の約束があっても、その他の周辺事情も勘案して、誠心誠意をもって婚約が成立したものとは認められないとする裁判例も多く存在します。

身分関係を決定する重要な法律行為である以上、「男女の睦言」という程度では足りず、誠心誠意の確実な約束であることが要求されているものと考えられます。

 

また、婚約の成立を認めた裁判例も、単に当事者間の口頭の合意内容のみから判断するのではなく、当事者間の交際状況、会話の内容、結納や婚約指輪の授受、結婚に向けた具体的な準備や予定、親族への紹介・認容、友人等への公表等の諸般の事情をも踏まえて、誠心誠意の確実な約束であったかどうかを認定しているようです。

 

学説では、儀式その他慣行上婚約の成立と認められるような外形的な事実が全然ない場合に、婚約の成立を認定するのは相当慎重でなければならないとの指摘もあります。

 

婚約不履行など法的なトラブルでお悩みの方は、どうぞ当事務所までお気軽にご相談ください。

 

 

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

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この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)