交通事故の争点について
交通事故の損害賠償では、保険会社が提示する金額と、裁判所が認める賠償額との間に、大きな差がある場合が少なくありません。
そもそも、保険会社は、裁判所では通らないと分かっていながら、「自賠責基準」「任意保険基準」なる基準を作って、支払いを渋っているのですね。
ただ、一般人が交渉しても保険会社はこの基準の数字を変えようとはしません。
このような場合、弁護士が受任して、交渉するか、裁判をやっただけで、賠償を受けられる金額が大幅に上がったりします。
そのため、裁判で争点になることの多くは、過失相殺、後遺障害等級などです。
過失相殺というのは、加害者に落ち度(過失)があるのだが、被害者の方にも一定の落ち度がある場合を言います。
たとえば、事故が起こってしまった原因として、加害者に8割、被害者に2割の落ち度があった場合、被害者は自分が被った損害のうち2割を減額した金額のみ請求できるということになるのです。
後遺障害の等級は、主に損害料率算定機構という組織が、被害者の診断書やレントゲン写真などを参考にして決定します。
そして、後遺障害8級に認定されたら、将来得られる収入の45パーセントが失われたとかいう具合で、将来の収入減に対する補償(逸失利益といいます)を受けます。
しかし、損害料率算定機構の認定が絶対のものではなく、実際に等級がもっと高いはずだ、低いはずだと争われたり、「後遺障害8級でも、実際の収入減はわずかである」という形で、損害額が争われたりします。
特に、むちうちで、自覚症状しかない場合は、等級認定が争われることが多くあります。
このような場合には、やはり、弁護士に依頼して保険会社と交渉する方が良いと思われます。