養育費の支払期間~いつからいつまで~

離婚する夫婦の間に未成年の子どもがいる場合,その子どもの親権・監護権を夫か妻のどちらかに決める必要があります。

子どもを監護する親(監護親)は,子どもを監護していない親(非監護親)に対して,子どもを育てていくための養育に要する費用を請求することができます。

この費用が「養育費」というものです。離婚をしたとしても親として当然支払ってもらうべき費用ということになります。

今回は、この養育費について、いつからいつまでもらうことができるのかについて考えたいと思います。

まず、養育費は,原則として請求した時点以降からもらえることになります。

過去に遡って請求することはできません。

したがって、相手方が任意に支払に応じてくれない限りは、過去の未払いの養育費はもらうことはできません。

離婚の際は,養育費について忘れずに協議しておくことが大切です。

また,養育費が請求できるのは,原則として子が20歳になるまでです。

そのため,子どもを大学に進学させたいと考えている場合には,大学卒業まで養育費をもらいたい旨を,離婚協議や離婚調停でしっかりと主張し,非監護者(義務者)を説得する必要があります。

合意でまとまらなければ,裁判官の判断に委ねることになりますが,現在大学に在籍しているなど特別な事情がない限り,大学卒業まで養育費を認めてもらうことはできないと考えておいたほうがよいでしょう。

なお,養育費は,通常,月々の分割払いです。

分割払いであると,今後,相手が払い続けてくれるかどうか不安…という方がいるかもしれません。

しかし,相手方に一括での支払を強制させることはできません。

相手方との合意があれば,一括払いでの支払を受けることもできますが,利息分が差し引かれたり,余分な税金が発生したりしますので,その方法が妥当かどうかは,慎重に検討する必要があります。

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)