車の所有者への賠償請求
このページでは任意保険に入っていない自動車で責任能力のない運転者(大学生の息子が父親の車[任意保険に入っていない]を運転していた)が起こした事故の場合について損害賠償を請求できるか、について解説しています。
交通事故の加害者が責任能力もない運転者で、車自体にも任意保険がかけられていなかったら、「もう泣き寝入りするしかない」と、思われるかもしれません。
ですが、こういう時こそ、実績ある弁護士に相談することでこの難局を乗り越えることができるかもしれません。交通事故で弁護士に相談することによって得られる効果を交通事故のご相談についてのページで詳しく解説しています。
交通事故の加害者が任意保険に入っていない!
交通事故に遭った場合に,自動車に任意保険が加入されておらず,また運転者に十分な賠償能力がないときに,自動車の所有者に損害賠償請求ができるでしょうか?
子が親の車で事故を起こしたとき、誰に損害賠償を求めたらいい?
例えば,21歳の青年が同居している父親の車を借りて運転していたときに事故を起こした場合に,自動車の所有する父親に対して被害者は損害賠償請求ができるかということです。
任意保険に入っていなくても、普通は強制保険(自賠責保険等)には加入していると思われますので(加入せずに運転することは犯罪です)、強制保険から一定の保険金を受け取ることはできます。
ただ,自賠責だけでは損害額が十分にカバーできない場合があります。
まず、子どもといえども、成人している以上、その責任を親に問うということはできないのが原則です。ただ、このケースでは、別の理由で父親に賠償請求することが可能です。
車を運転していて他人を傷つけたとき、運転者が賠償責任を負うことは当然です。
ただ、法律は運転者だけではなく、
「自己のために自動車を運行の用に供する者(運行供用者)」が「他人」を傷つけたときは、原則として、運行供用者も、その責任を負う
としています。
どんな人が運行供用者かイメージしにくいかも知れませんが、車の所有者は多くの場合、「運行供用者」に当たります。
そうすると、このケースでも、車を運転していた21歳の青年だけではなく、車の所有者である父親も責任を負うということになるのです。
運行供用者(車の所有者)が負う責任はあくまで限定的
ただし、運行供用者が責任を負うのは、「他人の生命又は身体を害した」ことによる損害(治療費、休業損害等)についてだけで、物的損害(例えば車の修理費等)までは責任を負いません。

従って、今回のケースでは、治療費や休業損害等について父親に対しても請求できるという結論になります。
ただ,加害者の父親への請求の前に、自身が加入されている自動車保険に、無保険車傷害保険や人身傷害補償保険など、今回の事故に適用できる保険がついていないかどうか、保険会社に確認することも必要だと思います。
法律上、父親に請求できるにしても、父親自身に十分な資力がない場合も考えられるからです。
交通事故の場合に、加害者である相手方の自動車が自賠責保険や任意保険に加入していないケースを、「交通事故加害者の自動車が保険に入っていないとき」 のページで神戸山手法律事務所の弁護士が、個別に詳しく説明しています。
この記事の執筆者:津田 和之 弁護士

神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門









