交通事故による耳鳴りや難聴

交通事故により頭部や頚部を受傷した場合に、耳鳴りや難聴などの症状が出ることがあります。

例えば、頸椎捻挫、いわゆるむち打ち損傷の約7%で耳鳴りや難聴が発症すると言われています。

当事務所に寄せられた依頼で、交通事故による後遺症で耳鳴りやムチ打ちなどで長期間病院に通院を続けていたら、約3か月で加害者側の保険会社から一方的に治療を打ち切られた事例があります。債務不存在訴訟を提起されたため,損害賠償請求の反訴を提起して後遺障害の12級と賠償額1000万円を勝ち取った、という事例です。交通事故のご案内ページで紹介していますのでぜひご覧になってください。

交通事故直後、被害者は耳鳴りや難聴に気づかない

ただ、被害者の方は、交通事故直後、頭痛や頚部痛などの痛みが強く、耳鳴りや難聴に気づかない場合が多くあります。

また、

被害者A

耳鳴りや難聴に気づいても、しばらくすると治まるのではないか。

と思ったり、

被害者B

整形外科の医師に言っても「耳鼻科に行きなさい」って言われるだろうから、言わなくてもいいか。

と考えたりして、主治医にきちんと症状を申告していないケースが見受けられます。

時間が経過後、耳鳴り・難聴の訴えは損害賠償を拒否される?

保険
会社

事故からだいぶ時間が経っていますから、今ごろ「耳鳴りや難聴がある」、と訴えられても損害賠償できませんよ。

このように、交通事故からしばらく経過した後、数週間~1か月以上経過した後で耳鳴りや難聴を訴えても、保険会社は交通事故の直後に訴えがなかったことを理由に、耳鳴りや難聴は交通事故が原因ではないなどとして、損害賠償を否定する傾向にあります。(「交通事故の治療費。保険会社から今月で打ち切る、と言われたら」のページで詳しく解説しています)

事故後時間の経過してから症状を訴えたときの相手方の保険会社の反応と病院選びの重要性

交通事故からしばらく経過した後、数週間~1か月以上経過した後で耳鳴りや難聴を訴えても、保険会社は交通事故の直後に訴えがなかったことを理由に、耳鳴りや難聴は交通事故が原因ではないなどとして、損害賠償を否定する傾向にあります。

さらに、耳鳴りや難聴があるために、耳鼻科に受診しても、その医師が交通事故による受傷についての経験が乏しい場合などは、きちんとした治療が受けられなかったり、十分な後遺障害の診断書の作成ができないために、耳鳴りや難聴などの後遺障害があるにもかかわらず、後遺障害の認定が受けられないケースもあります。

したがって、交通事故に受傷した後に、耳鳴りや難聴の症状がある場合には、主治医にきちんと訴えてカルテに記載してもらうことが、まず重要です。

できれば、自覚症状があれば、事故後1週間以内には、主治医に耳鳴りや難聴の症状を訴えて、カルテに記載しておいてもらうことが望ましいでしょう。
そのうえで、耳鳴りや難聴について、交通事故や労災などを多く扱っている信頼できる耳鼻科に受診することが大切です。

上で述べたように、事故後にきちんと主治医に症状を訴えていなかったり、受診した医師が十分な知識や経験がなかったために、耳鳴りや難聴の後遺障害があるにもかかわらず、後遺障害の認定を受けていないケースが相当あると思われます。

耳鳴りや難聴は、耳鳴り検査で耳鳴りが確認され、かつ聴力検査で感音難聴が確認されている場合は、後遺障害の障害等級12級が認定されます。後遺障害12級が認められると、慰謝料だけでも280万円程度(裁判基準)が認められます。

被害者請求という選択肢も知っておきましょう

また、一般的に相手側の保険会社担当者が被害者に適正な等級が認定されるよう、積極的にアドバイスしてくれたり、書類の不備、検査の不足を指摘してくれることは、ほとんどありません。

さらに、後の損害賠償額を大きく左右する後遺障害等級認定の手続きを加害者側に任せるということに、正直、抵抗を覚える被害者の方も少なくありません。

これに対しては、「被害者請求」という方法があり、被害者の側から直接自賠責保険会社に対して、後遺障害等級認定を申請する方法です。

「被害者請求」の場合は認定された等級に応じた自賠責限度額を、任意保険会社との示談を待たずに先行して受け取ることができることが大きなメリットの一つです。(「交通事故による後遺障害等級の認定手続きについて~事前認定と被害者請求~」

当事務所では、ほとんどすべての案件で、「被害者請求」により直接自賠責保険会社に対して、後遺障害等級認定を申請しています。
また、その際には、交通事故と受傷の関係や受傷の程度などについて、弁護士の作成した意見書を提出することとしています。

そして、交通事故で、耳鳴りや難聴などの症状がある場合は、早期に、その分野に精通した弁護士への相談することをお勧めします。

当事務所では、交通事故を原因とする耳鳴りや難聴のケースを多く取り扱うとともに、ケースによっては、信頼できる医療機関(耳鼻科)を紹介することも可能です。


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この記事の執筆者:津田弁護士

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神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)