交通事故と高次脳機能障害

医療の進歩により、交通事故で脳外傷を受けた被害者の方も、多くが救命されるようになりました。
しかし一方で、外見上は回復したように見えるものの、以前と同じ生活に戻れない被害者が多くいるのも事実です。

「物忘れがひどい」「攻撃的になる」「とっさの判断ができない」などの症状があらわれたら「脳外傷による高次脳機能障害」かどうか、考えてみてください。
高次脳機能障害は仕事や生活だけでなくその後の人生に大きな影響を及ぼす後遺症です。
交通事故に遭ったら安易に加害者側の保険会社の補償内容を受け入れる前に、弁護士を立てて交渉をすることで被害に見合った補償内容を得なければいけません。
交通事故の総合ページにて、「高次脳機能障害による2級の後遺障害が残った被害者について,裁判により,将来介護費を含めて約1億3千万円の損害賠償を勝ち取った事例」を紹介していますので、あわせてご覧ください。
脳が外傷を受けて生じる高次機能障害とは?
脳外傷による高次脳機能障害とは、交通事故で脳が損傷を受けたことによりその後、一見完全に回復したように見えても、認知障害、行動障害、人格変化が起きている状態をいいます。
あたらしいことは思い出せないといった「記憶・記銘力障害」や、注意力や集中力の著しい低下が見られる「注意障害」のほかに、感情のコントロールができなくなったり、物事に興味がなくなるなどといった症状があらわれます。
事故以前に比べて、「人格が大きく変化」したような場合など、この障害を疑う必要があります。
外見上ではわかりにくいこともあり、周囲も事故との関係を見逃しやすく診断が遅れる場合があります。
高次脳機能障害の事例
- 以前は穏やかな人であったが、事故後は人が変わったように怒りっぽくなり、感情をコントロールできなくなってしまった
- 事故後、自分が考えていることを滑らかに話せなくなっただけでなく、相手の話すこともなかなか理解できなくなり、仕事に支障がでるようになった
- 事故後、物の置き場所を頻繁に忘れることが多くなり、新しい出来事も覚えられなくなった。そのため何度も同じことを繰り返し質問するようになった
- 人に指示してもらわないと何もできなくなり、計画性のない行きあたりばったりの行動をとるようになった
などが挙げられています。
交通事故の被害者になった場合に、損保会社との示談の成立後に、示談したときには予想できなかったような後遺症が残ってしまうというケースがあります。
この記事の執筆者:津田弁護士

神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)





