地方自治法上の「住民」とは

皆さん、「住民」という言葉を耳にすることがあると思いますが、この「住民」というのは法律上、どの範囲の方を指すのでしょうか。
地方自治法では、
「市町村の区域に住所を有する者は、当該市町村およびこれを包括する都道府県の住民とする。」
(自治法10条1項)
と規定されています。
「市町村の区域内に住所を有する」のみで「住民」となる
ここでは、「市町村の区域内に住所を有する」という事実のみによって、住民としての要件が充足されることとなります。
したがって、住民票の登録がなくても、「住所」を有していれば、地方自治法上は、「住民」ということとなります。
「住所」とは?

次に、「住所」とはどのような要件が必要なのでしょうか。
自然人(※下記「用語の意味「自然人」とは?」参照)の場合は、
「各人の生活の本拠をその者の住所とする。」
(民法22条の規定)
ということになります。
そして、「生活の本拠」とは、客観的な居住の事実が主たる考慮要素となり、併せて、その者の主観的な意思も補足的に考慮して総合的に判断することとされます。
法人も「住民」に含まれる
法人の場合は、主たる事務所の所在地(一般法人法4条)又は本店の所在地(会社法4条)をもって住所とすることとなります。
そのため、市町村の区域内に住所を有している者は、自然人だけでなく法人も、地方自治法上の「住民」に含まれます。
「住所」の要件さえ満たしてさえいれば年齢・国籍問わず「住民」
また、「住民」の要件は、住所=生活の本拠を有しているかどうかでのみですので、人種、性別、年齢、行為能力などを問わないことはもちろん、国籍も関係ありません。
したがって、外国籍の方も、未成年者も、市町村の区域内に生活の根拠がある場合は、地方自治法上、「住民」としての要件を満たしています。
このことは、選挙権を定めた地方自治法11条が「日本国民たる・・・住民は」と、日本国民である住民と限定して規定していることからも明らかだと思います。
民法における「自然人」とは、生きている人間のことを指します。
これは、株式会社や学校法人といった法律によって「人」と認められた組織である「法人」と対比される概念です。(詳しくはWikipedia「自然人」参照)
住民訴訟については「住民訴訟について①」のページで詳しく解説しています。
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神戸山手法律事務所の津田弁護士は、自治体職員として実際の行政事務に携わったエキスパートです。
神戸山手法律事務所の津田和之弁護士は、
- 公務員として20年以上の勤務経験があります。
- 法曹資格を有する職員として数多くの審査請求や訴訟に携わるなどの経験や実績があります。
- 行政手続きや審査請求・行政訴訟制度などについて精通しています。
こうした経験を活かし、自治体からの相談にも数多く対応しております。


