相続と祭祀財産

民法上において、先祖代々の系譜(家系図)や祭具(神体、仏像、仏壇)、墳墓(御墓など)等は、「祭祀財産」と呼ばれています。

このような仏壇やお墓は、相続において、どのように取り扱われるのでしょうか?

今日は、この「祭祀財産」と相続について考えてみたいと思います。

原則的に、被相続人が所有していた全財産は、相続人が受け継ぐことになります。

しかし「祭祀財産」は財産的な意味がないとされ、一般の相続財産(現金、預貯金、不動産、債権、債務等)には含まれません。

継承しても法律上は、相続財産の増減につながらないとされているからです。

また「祭祀財産」は、相続人が当然に受け継ぐのではなく、「祭祀主宰者」と呼ばれる立場の人が承継します。

これは、故人の遺体や遺骨も同様です。

この祭祀主宰者は、通常、被相続人の生前の指定や遺言で指定された人がなりますが、指定がない場合は地域や先祖伝来の慣習、または相続人間の話し合いで決定すのが一般的です。

それすらもないときは、家庭裁判所に調停もしくは審判を申し立てて決めることになります。

なお、祭祀主宰者に指定されたとしても、法律的な義務はありませんので、実際に祭祀を営むかどうかは指定された人の考え次第です。

相続や遺言作成でお悩みの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の執筆者:津田 和之 弁護士

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神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)