死刑執行について
先日の新聞で,全国の拘置所に収監中の確定死刑囚133人を対象にしたアンケートで,回答した78人のうち6割以上の51人が死刑執行の事前告知を希望しているとのことでした。
また,絞首により執行方法についても過半数が見直しを要望しているとのことでした。
今日は,死刑執行について考えてみたいと思います。
現在,世界の大多数の国で死刑制度は廃止又は凍結されており,先進国で死刑制度があるのは,日本とアメリカだけだと言われています。
日本の近隣国では,中国は死刑制度がありますが,韓国は死刑制度はあるものの,凍結されています。
ただ,今日は,この死刑制度の是非ではなく,日本の死刑の執行について見てみたいと思います。
まず,法務省の刑事局から「死刑執行命令書」が出された後,拘置所の所長が死刑因に対して執行を言い渡します。
そして,死刑囚への死刑執行の言い渡しは,通常、死刑執行される当日の朝だそうです。
なお,死刑執行は「死刑執行命令書」を受け取ってから5日以内と決められていますが,命令書を受け取った次の日に執行したり、5日ぎりぎりで執行したりと決まっていないということです。
次に,死刑因を処刑場に 迎えにいく時間帯は,午前9時から11時頃の間で、収容されている他の人たちが運動の時間帯で外に出たときに呼び出します。
そうしないと他の死刑因の緊張が高まり、情緒不安定になるからということです。
処刑場は,12畳ほどの広さの「別れの間」があり、祭壇が置かれ、中央には花で飾られた阿弥陀如来(あみだにょらい)の仏画が掛けられいるらしいです。
また,奥の白いカーテンを開けるとそこが刑場で、約8畳位の広さ、中央の床には1mの四角の踏み板があり、そこに死刑囚を立たせるということです。
(13段の階段があるということではありません…。)
踏み板を落下させるスイッチは5つボタン式になっていて、刑壇の右奥の壁に設置されている。
このボタンは,5つのうちどれか一つを押すと踏み板が落下する仕組みとなっています。
処刑ボタンは保安課長が右手を上げた時が用意で、その手を振り下ろした時に死刑執行を担当する刑務官が全員でボタンを押すことになります。
なお,5つボタンになっているのは、誰が処刑したかをわからなくすることにより,少しでも執行官の精神的な罪悪感と自虐心をなくすためだといわれています。
日本では,このような形で,死刑執行がされています。
皆さんは,どのように思いますか?