大飯原発の再稼働を考える!

政府は、今年の夏に向けて大飯原発を再稼働する方針を固め、先日、野田総理が国民に説明をしました。

 

しかし、この大飯原発の再稼働については、賛否が大きく分かれています。

確かに、大飯原発を再稼働しなかった場合に、計画停電などが実施されれば、国民生活や経済に重大な影響が生じることはよく分かります。

 

他方で、暫定的な安全性といいいながら、なぜ東日本大震災規模の地震が発生しても安全といえるのか?

なぜ暫定的な安全性しかないのであれば、電力が不足する夏場のみの再稼働ではダメなのか?

そもそも福島原発の事故調査委員会のの報告がまだ出ていない段階で、なぜ安全だと言えるのか?

危機に備えて、政府三役を福井県に駐在させるのでれば、なぜ福島県に駐在させないのか?

などなど数々の疑問があることも事実です。

 

私は、以前にも書きましたが、原子力発電所については、絶対的に災害発生の危険がないという「絶対的安全性」は想定できないとしても、「相対的な安全性」、すなわち放射線、放射性物質の環境への排出を可及的に少なくし、これによる災害発生の危険性を社会通念上無視し得る程度に小さなものに保つこと、その危険性を人間が制御できることが求められると思います。

 

しかしながら、私は、現時点では、政府の説明を聞いた限りでは、津波対策や免震棟の設置の問題など、この「相対的安全性」のレベルを満たしているとは到底言えないように思います。

このことは、今の福島原発の事故後の状態を見れば明白です。

そして、政府自身も、暫定的な安全性しかないことを認めているのです。

 

むしろ、政府は、電力不足や産業への影響を懸念して、原発の事故発生の危険性の程度と原発の利用により得られる利益の大きさとの比較衝量して、上記の「相対的安全性」のレベルを下げて、再稼働しようとしているようにしか思えません。

 

しかし、原子力発電所で一旦事故が発生した場合の生命・身体、財産への甚大な被害を考えると、原子力発電所の利用により得られる利益がいかに大きなものであったとしても、その安全性のレベルを下げることは許されるべきではないと思います。

 

私は、個人的な見解ですが、少なくても、この「相対的安全性」のレベルの安全性が確保されない限り、原子力発電所の再稼働はすべきではないと思います。

仮に、100歩譲って、国民生活や経済活動の影響のために、再稼働させるとしても、やはり夏場限定の再稼働にすべきだと思います。

 

皆さんはどう考えますか?