不当解雇の相談について

先日,神戸市内の会社から突然,労働契約の解消(解雇?)を言い渡された方から相談を受けました。

今日は、私が担当したこの不当解雇のケースについて少し紹介したいと思います。

 

具体的には,この相談者は、期限の定めのない雇用契約で、営業職で働いていた会社から,3ヶ月分の給料を支払うことを条件に,翌月からの労働契約の解消を一方的に言い渡されました。

会社は、この相談者について、営業職の仕事がなくなり、他の職種に配転することも検討したが、それも難しいということを理由としていました。

 

 

しかしながら、 期限の定めのない雇用契約では、合意による退職でない限りは、会社側の一方的な解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、当該解雇は無効とされています。

 

具体的には、整理解雇では、①解雇の必要性があること、②解雇回避努力を尽くしたこと、③人選の合理性があること、④労働者や労働組合に対して十分な協議説明をしたことなどの4要件を満たす必要があると判例上されています。

 

今回の会社の労働契約の解消というのは、整理解雇の要件を満たしていないとともに、仮に退職勧奨であったとしても、労働者である相談者はそれに合意をしていない以上、法的には無効なものと言わざるを得ません。

 

ただ、今回のケースでは、相談者が、このような会社では戻っても嫌がらせなどを受ける恐れもあり、会社には戻らずに、一定の金銭をもらって早期に退職したいという希望がありました。

 

そこで、私の方から会社に対して、内容証明で、解雇は無効であり、相談者は労働者の地位にあることを主張するとともに、他方で、会社側で解雇を撤回したうえで、合意退職に向けた話し合いを希望するのであれば、条件次第では合意退職に応じても良いと通知をしました。

 

そして、労働審判も覚悟していましたが、会社と何度も交渉した結果、最終的には、会社側が年収の約5~6ヶ月分を解決金として支払うことを条件に、合意退職をすることで合意が成立しました。

 

相談者の方も、当初会社から提示された額の3倍以上の額であったため、一応、満足できる結果だったと思います。

 

最近、このような不当解雇や退職強要が多く見受けられますが、このような不当解雇や退職強要など労働契約上のトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。