法科大学院の学生募集停止

昨日の新聞記事で、明治学院大学が来年度から法科大学院の学生募集を停止し、5年後を目途に廃止するという記事がありました。

 

法科大学院の募集停止は、姫路独協大学、大宮法科大学院に続き3校目です。

このうち、大宮法科大学院は、桐蔭横浜大と統合するのに伴い募集を停止するということです。

 

このような動きの原因は、新司法試験の合格率の低い学校については、志願者数が減り続けていること、入試倍率や合格率が低い学校に対しては文科省が補助金をカットしたことなどによる経営悪化が原因と言われています。

 

司法制度改革で、2004年度にスタートした法科大学院については、当初は卒業生の7割が司法試験に合格し、司法試験の合格者は年間3千人と言われていたのが、現実には、司法試験の合格者は当初よりも大幅に少ない2千人で、合格率は2~3割にとどまっているという面があります。

他方で、弁護士の数が増加し、司法修習を終わった人の就職先がないという問題も出てきています。

また、司法修習生は、以前は国から司法修習中は給料がもらえたのですが、これが昨年から廃止されました。

 

このように、法曹を目指そうとすると、2年ないし3年間ロースクールに通う学費や生活費のうえに、司法試験に合格しても司法修習中の生活費も必要になるなど法曹資格を得るまでに莫大な経費がかかる一方で、法科大学院を出ても司法試験の合格率が低いこと、合格できても弁護士としての就職がないことなどにより、法科大学院の志望者が年々減少していることにつながっていると思われます。

 

これに対しては、そもそも司法試験合格者3千人が過大であったとか、当初より、法科大学院の数や定員が多すぎるという指摘もあります。

 

いずれにしても、法科大学院制度がスタートして約8年間経ったのですから、政府は、これまでの問題点や成果をきちんと検証して、法科大学院の定員や司法試験の合格者数について明確な方向性を出すべきだと思います。

 

今のようなどっちつかずの状態では、法科大学院の志望者が減少し、法曹へ優秀な人材が来なくなるという事態をますます招くのではないかと危惧します。

 

皆さんは、どのように考えますか?