吉村昭「生麦事件」

作家の吉村昭の「生麦事件」を読みました。

吉村昭は、ノンフィクション的な手法で歴史小説を多く書いている作家です。

「ポーツマスの旗」、「破獄」、「戦艦武蔵」など多くの作品がある有名な作家です。

 

この作品は、幕末に島津家の大名行列とすれ違おうとしたイギリス人を殺傷した「生麦事件」から、薩英戦争、倒幕、明治維新を描いた歴史小説です。

 

ストーリーは、生麦事件をきっかけとした薩英戦争の勃発、薩英戦争を経て攘夷の無謀さを覚って、薩摩藩が開国しかないという方向に転換し、敵であったイギリスと手を組んで武力の増強に努め、幕末に至るという流れで、史実に沿って描かれており、600頁以上の読み応えのある歴史小説の傑作だと思います。

 

私は、この本を読むのは2回目ですが、本当におもしろい小説です。

 

歴史小説といえば、司馬遼太郎などを頭に思い浮かべますが、吉村昭は史実に忠実にありながら、新しい点で描いていくというのが素晴らしいと思います。

 

皆さんにお勧めしますので、是非一度読んでみてください。