事務所の本格始動!!

2012年4月2日

昨日が日曜日でしたので、今日から本格始動しました。ただ、実際は、まだまだ事務所内部の作業に追われています。

 

今日も、朝から友人や元弁護士会会長の大先生から開業のお祝いの品が届きました。本当にありがたいと思います。お祝いの品そのものよりも、多くの方から励まされ、応援していただいていると思うと、本当に元気づけられます。

 

今日は、最近、話題になっている大阪市の橋本市長の報道の中で、市当局による職場の職員用パソコンのメールのチェックについて少し考えたいと思います。

 

多くの企業で、労働者個人にパソコンが貸与され、社内のネットワークシステムの中で労働者にメールアドレスが与えられ、労働者がメールを使える環境にあると思います。そうした中で、企業側が労働者の私用メールの内容を一方的に監視・調査することが許されるのかというのが、この問題です。

 

この問題には、恐らく二つの論点があると思います。まず、一点目は、私用メールの可否です。二点目は、私用メールの監視・調査の可否です。

 

一点目については、基本的に、労働者には勤務時間中は職務に専念する義務はあるとしても、会社の電話の私的な利用と同様に、社会通念上、業務の妨げにならない程度で、合理的な範囲であれば、私用メール送受信することは許されるとされています。この点については、あまり争いはないと思います。

 

二点目については、裁判例(東京地裁平成13年12月3日判決)は、社内のネットワークシステムを用いた電子メールの送受信であることなどから、電話と同じようなプライバシー保護を期待することはできないとしたうえで、メールの私的使用を監視するような責任のある立場の者が、監視の必要性がある場合に、私用メールの監視・調査することは、一般的に許されると解しています。

 

この裁判例に対しては、学説では、労働者のプライバシー権との関係で、事前に企業側のメールの監視・調査権限やルールが、労働者に対して明示・告知されていなければならないとする立場が有力です。

 

私も、これだけメールが日常化し、プライバシーの保護への関心が高まっている中では、少なくとも、メールの監視・調査のルールを事前に明示・告知しておく必要性は高く、何ら事前に明示することなく、企業側が一方的に無断でメールの監視・調査をすることは、やはり行き過ぎのような気がします。

 

企業側に立つならば、事前にメールの私的利用を就業規則などで禁止するとともに、監視・調査のきとんとしたルールを確立したうえで、そのルールの下で、メールの監視・調査することがあることを、労働者に対して明示・告知しておくことが必要であると思います。

 

皆さんはどう考えますか?

お祝いの花、掛け時計と名刺リーダーです。ありがとうございました。