11月2016

交通事故による賞与の減額

交通事故により会社を休まざるを得ず、そのことにより賞与の減額をされた場合、これは損害として加害者に請求できるでしょうか。

 

まず、給与所得者の場合、休業損害は、事故前の収入を基礎として受傷によって休業したことによる現実の収入減です。

したがって、事故がなければ賞与も貰えたはずですから、賞与が減額された場合、原則として休業損害となります。

過去の裁判例でも、事故により、賞与が減額または不支給となった場合には、休業損害として認められています。

 

ただ、賞与については、その勤めている会社の業績や、社会の景気動向など、様々な外的な要素が絡んで支給額が決定されることが多くなります。

そのため、単に事故で仕事を休んだことが賞与カットの理由にはならない可能性があり、またその判別も非常に難しいものとなります。

特に本人の勤務評定なども要素に加味されるようになると、いっそう複雑になります。

 

事故による負傷のため、賞与算定期間をすべて休んでしまい、まったく支給されなかったようなケースであっても、その期間に仮に事故がなく通常どおり勤務していたら得られたであろう賞与金額の算定もやはり難しいものがあります。

 

したがって、賞与支給の規定がしっかりと定められている企業では、欠勤により賞与がいくら減額されたかは容易に証明できるので、この証明書をもとに損害を認定する事になります。

一般的には、勤務する企業が「賞与減額証明書」を発行してくれます。適正な内容であればそれに従った損害の認定がなされます。

 

他方で、中小の零細企業であり、そのような規定がなく賞与を大雑把に計算している場合、減額分の証明が困難なこともあります。

企業が証明書を出してくれれば損害請求はスムーズに進みますが、証明を出してくれない企業もあります。

そのような場合は、被害者の方の事故の前年度の年間の収入総額を算出し、これをもとに給与と賞与を合わせた損害を認定することにより損害を請求していきます。

 

交通事故など法的なトラブルでお悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

解雇された社員による会社のデータ削除

今日は、勤務不良で社員を解雇したところ、解雇を逆恨みした社員が会社を止める際に、これまでコンピューターに入力した様々なデータを全部消去してしまったという事例について考えてみたいと思います。

 

このような事例の場合に、会社は、この社員を業務妨害で訴えたり、損害賠償を請求することはできないのでしょうか?

 

この事例については、刑事・民事の両面から検討する必要があります。
まず、この社員が故意にコンピューター内のデータを消去した場合、この行為は電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法243条の2)に該当し、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることになります。

 

問題は故意にデータを消去したのか、機械のトラブルや過失によって消えてしまったのか、ということです。

この犯罪は故意犯なので故意に行ったのでなければ犯罪にはなりません。

 

この様な内心の問題は、自白を除いては直接的な証拠はなく、間接的・客観的な事実を積み重ねて立証することになります。証拠として考えられるのは、解雇された際の言動・態度、真実機械のトラブルが発生したか否か、今回のデータ消去が1回の誤作動で発生しうるものか否か、データ消去の時間とアリバイ、更には他の従業員のアリバイ等です。

 

これらを調査をして、その結果これが、故意によるデータ消去でしかもこの社員にしか行えなかったと合理的に推測できるならば、この社員を告訴するべきでしょう。

 

次に、民事上の責任ですが、この社員が故意又は過失によりデータを消去し業務上の損害が発生したのであれば、民法709条に基づき、その損害の賠償を請求することができます。

 

では何が損害といえるのかですが、まずデータを再入力するための人件費等は当然損害といえます。

 

また、それ以外にデータ消去により休業を余儀なくされたのであれば、過去数ケ月分の収入を基に休業期間の得られたであろう利益・収益を損害として請求できるでしょう。

ただ、この損害の立証はなかなか難しい面があるため、概算にならざるを得ない面があると思います。

 

労働関係のトラブルなど法的問題でお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

箕面の滝とハイキング!

土曜日に、友人のグループと箕面の滝&ハイキングに行ってきました。

阪急箕面駅から、箕面のハイキングコースを歩いた後、箕面の滝を見てきました。

滝に行くルートは人で一杯でしたが、ハイキングコースはほとんど人はいないのと、コースも整備されており、快適でした。

箕面ハイキングは、標高の高いところで500m程度、歩く時間は3時間程度で、少し汗をかく程度でお手軽です。

 

ただ、箕面は紅葉で有名ですが、未だ少し早かったようですね。

  

 

 

起訴と不起訴処分について

皆さんは、刑事事件において、起訴・不起訴という言葉を聞いたことがあると思います。

今日は、起訴・不起訴というのはどういうものかについて考えたいと思います。

 

犯罪を犯した嫌疑がある場合には、一般に、警察から検察官に事件が送致されます。

 

起訴とは、検察官が特定の刑事事件について裁判所の審判を求める意思表示を言います。

起訴するかどうかの権限は原則として検察官のみが持っています。

検察官に起訴されると、捜査段階から裁判手続に移り、被疑者は被告人という立場になります。

 

これに対して、検察官が裁判所の審判を求める必要がないと判断した場合には、不起訴となります。

不起訴はその理由に応じて、「嫌疑なし」、「嫌疑不十分」、「起訴猶予」の3種類に分類できます。

 

「嫌疑なし」とは、捜査の結果、被疑者に対する犯罪の疑いが晴れた場合です。

 

「嫌疑不十分」とは、捜査の結果、犯罪の疑いは完全には晴れないものの、裁判において有罪の証明をするのが困難と考えられる場合です。

これは、犯罪は「犯罪を犯した」という立証がない限り、無罪であるということに基づいています。

 

「起訴猶予」とは、有罪の証明が可能な場合であっても、被疑者の境遇や犯罪の軽重、犯罪後の状況を考慮して、検察官の裁量によって不起訴とする場合です。

犯罪の重さ、前科の有無や被害者との示談などが重要な考慮要素となります。

 

被疑者が不起訴処分を得るためには、捜査機関の保有している証拠の精査や被疑者に有利な証拠の収集(アリバイ等)、被害者との示談などを行い、検察官に対して嫌疑が不十分である旨の主張や不起訴が妥当である旨の主張を行っていくことが必要となってきます。

 

なかなか一般の方では難しく、不起訴処分を得るためには法律の専門家である弁護人の選任が不可欠といえます。

 

なお、不起訴処分となると被疑者に前科は付きません。

前科調書への記録や特定の資格や職業への制約といった不利益の心配がなくなり、被疑者にとってのメリットは非常に大きいといえます。

 

また、不起訴処分となれば、刑事手続は終了し身体拘束からも解放されますので、晴れて元の日常生活に復帰することができます。

 

 

社員への損害賠償と解雇予告手当の相殺について

会社が社員を解雇する場合には、労基法により30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う義務があります。

 

「労働者の責めに帰すべき事由」(例えば、会社のお金の横領など)による解雇として、行政官庁の認定を受ければ、解雇予告手当の支払い義務は免れますが、このような場合を除くと解雇予告手当を支払う必要があります。

 

他方で、社員の不法行為により会社が損害を受けた場合(例えば、社員が会社の備品を壊した場合など)には、当該社員に対して損害賠償請求をすることができます。

 

そして、今回は、社員を解雇するにあたって、解雇予告手当と不法行為の損害賠償とを相殺することができないかという問題について考えてみたいと思います。

 

結論的に言うと、社員に対する損害賠償と解雇予告手当の相殺は、給与の全額払いの原則に反するため、原則としてはできません。

これは、解雇予告手当は次の就職活動に困らないように予告できなかった期間を金銭で補う意味があります。

そのため、解雇予告手当は給与であり、労基法24条の全額払いの原則から他の債権と相殺して支払うことは認められていません。

 

これについて、判例は、「同条項は、労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権をもって相殺することを許さないとの趣旨を包含するものと解するのが相当である。このことは、その債権が不法行為を原因としたものであっても変わりはない」と判断しています。

 

ただ、例外として、相殺について社員の同意がある場合には、相殺することは可能です。

下級審の裁判例でも、相殺の同意が社員の完全なる自由意思に基づく場合には、全額払いの原則に反しないとしています。

 

相殺をする場合には、後日の紛争に備えて、社員本人から同意書を取り付けた上で行う必要があると思われます。

また、相殺の範囲は、解雇予告手当の趣旨に照らして、同意があったとしても一部控除に留めることが望ましいでしょう。

 

いずれにしても、解雇予告手当と損害賠償金の相殺は、必ず社員本人の同意を取ってから実施することが重要です。

 

解雇など労働問題のトラブルについては、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

定年後の再雇用の賃下げについて②

先日、東京高裁で、定年退職後に再雇用され、まったく同じ仕事を続けた場合に、定年前の賃金が維持されるべきか、賃下げが許されるかが争われた判決がありました。

 

このブログでも紹介したように、1審は、「特段の事由がない限り同じ仕事なのに賃金格差を設けるのは不合理だ」として、賃下げを違法と判断しました。

 

これに対して、東京高裁は、「賃下げは社会的に容認され合理性がある」との判断を下し、1審判決を取り消しました。

その理由としては、「企業が再雇用で仕事内容を変えず、賃下げするのは公知の事実。企業には定年後の雇用確保措置が義務づけられた。人件費の無制限の増大を避け、若年層を含めた労働者全体の安定雇用を実現する必要がることを考慮すると、減額には一定の合理性がある」と指摘しました。

 

そのうえで、本件では、「年収は定年前の約2割の減額で、同規模企業の引き下げ幅よりもかなり小さい。企業が本業で赤字だと推認できる事情もあり、減額が不合理とはいえない」と判断しました。

 

その結果、有期契約の労働者と正社員との間の不合理な格差を禁じた労働契約法20条に違反しないと結論づけました。

 

この事件は、最高裁に上告されることは確実ですが、皆さんはどのように考えますか?

 

正直、なかなか難しい問題だと思います。

労働契約法の趣旨からすると1審判決が妥当な気がしますが、高齢者の雇用確保の義務づけや若年者の雇用確保など社会的に考えると、高裁判決もやむなしとも思います。

 

いずれにしても、最高裁の判断を待つしかありません。

 

労働トラブルなどでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

 

無料法律相談会の案内!!

当事務所では、11月13日(日)の13~17時に無料法律相談会を開催します。

年に数回程度開催している恒例の無料相談会です。

 

交通事故、相続・遺言、離婚、労働問題、借金などについての個別面談による

無料相談で、電話申込みによる先着順です。

 

相談時間は1組あたり30分~40分程度です。

 

申し訳ありませんが、定員になり次第、募集は終了させていただきます。

 

法的なトラブルでお悩みの方は気軽にお問い合わせください。

石切道~紅葉谷コース!!

3日の日に、友人と一緒に、六甲山から有馬温泉まで山歩きに行きました。

 

コースは、石切道の登って、六甲ガーデンテラスで昼食後、紅葉谷コースを下って有馬温泉まで行きました。

 

朝9時30分にJR住吉駅に集合後、くるくるバスに乗って、住吉台の終点「エクセル東」まで行きました。

このバスは、乗車時間は10分ぐらいですが、標高250mぐらいの登山口まで一気に行けますので、大幅な時間短縮となりますので、お勧めです。

  

10時頃にバスを降りると、登山道はすぐで、そこから石切道を通って六甲山ガーデンテラスを目指しました。

石切道は、比較的登山道も整備されており、歩きやすい道です。

また、登山客は少なく、自分のペースでゆっくりと山歩きを楽しむことができます。

  

六甲山ガーデンテラスには、12時前に着き、そこで、簡単な食事を取りました。

その後、紅葉谷コースを通って有馬温泉まで下りました。

紅葉谷コースが一昨年の大雨の影響で一部が通行止めで、迂回コースを取る必要がありますが、1時間30分もあれば有馬温泉まで行けます。

14時過ぎに有馬温泉に到着後、かんぽの宿で日帰り温泉に入りました。

 

石切道は、バスを使うと六甲山を短時間で登ることができるお勧めコースです。

 

これから山歩きにはベストシーズンですので、皆さんもいかがですか?

 

大阪阿倍野の「田村社会保険労務士事務所」

大阪に行く用事があったので、阿倍野で社労士をしている大学の後輩の「田村社会保険労務士事務所」に行ってきました。

場所は、大阪市阿倍野区で、地下鉄御堂筋線の西田辺駅から徒歩2分ぐらいです。

 

田村社労士は、同志社大学のサークルの後輩で、私よりも学年では5つ下だと思います。

確か大学卒業後は、ダイエーに入社後、10年以上前に退職して、社労士事務所を設立しています。

 

企業側の労務管理など労働問題を中心に活動をしています。

彼は、大学時代はサークルの会長をするなど、人柄も良く、信頼できる社労士です。

 

ちなみに、サークルは軟式野球サークルでした!!

 

大阪で会社の労務管理などの相談は、田村社会保険労務士に連絡してください。

↓↓

http://ytamura.com/

 

 

 

 

14歳未満の少年の犯罪について

刑法では、14歳未満の者の行為については、罰しないと規定されています。

これは、14歳未満の者は、成長過程にあり十分な責任能力がないためです。

 

他方で、少年法では、14歳未満の者についても審判に付すると規定されています。

 

今回は、14歳未満の少年が刑罰法令に触れる行為をした場合に、どのように取り扱われるのかについて考えてみたいと思います。

 

まず、14歳未満の少年であって、刑罰法令に触れる行為をした少年を触法少年といいます。

そして、14歳未満の刑事未成年者であっても、刑罰法令に触れる行為があった場合には、所定の処分がなされることとなります。

 

少年法では、警察官は、「事件について調査をすることができる」と規定されています。

調査の対象は、事実の存否、動機、内容、家庭環境等です。

これは、14歳未満の少年の行為は罰せられないため、犯罪の捜査とは区別されています。

 

また、少年法では、触法少年に対する押収、捜索、検証、鑑定の嘱託という強制の処分も認められています。

 

次に、14歳未満の触法少年について、警察官は事件の調査をすることができ、少年に対して取り調べ(質問)をすることができます。

この場合には、少年の保護者や弁護士などの付添人の立会いを求めることができます。

これらの者が立ち会うことにより、少年が誘導により自白させられることを防止することができます。

 

通常は、警察での調査後、触法少年と判断された場合には、児童相談所に事件が送致され、児童相談所での判断が先行します。

そのため、14歳以上の少年事件と異なり、必ず家庭裁判所に送致されるということではありません。

児童相談所送致後の主な処遇としては、指導措置、児童福祉施設等の入所措置、家庭裁判所への送致等があります。

 

なお、家庭裁判所へ送致された場合は、通常の少年事件と同様の流れになります。

ただ、12歳未満の場合には、少年院に送致されることはないと思われます。

 

触法少年の付添人など少年事件でお悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

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