7月2017

交通事故における家事従事者の損害賠償

交通事故における家事従事者の損害賠償について説明したいと思います。

 

1 家事従事者
家事従事者とは、男女の別、年齢を問うことなく、現に他人のために家事に従事する者をいいます。したがって、男性であっても構いません。
家事労働については、そもそも金銭的に評価することが可能か、という議論がかつてはありましたが、現在ではこれを否定する立場はみられません。

 

最高裁の判例も、家事労働を金銭的に評価することを認めています。すなわち、「家事労働に属する多くの労働は、労働社会において金銭的に評価されうるものであり、これを他人に依頼すれば当然相当の対価を支払わなければならないのであるから、妻は、自ら家事労働に従事することにより、財産上の利益を挙げているのである」としています。

 

2 家事従事者の基礎収入
ア 原則
家事従事者の休業損害については、これを肯定する考え方が確立されていますが、では、これをいくらと評価すれば良いのか、という問題を生じます。この点について、上記最高裁判例は、女子労働者の平均賃金に相当する財産上の収益をあげるものと判断しており、現在の実務もその考え方に沿って運用されています。

 

すなわち、女子労働者の平均賃金(産業計・企業規模計・学歴計の全年齢平均賃金または年齢別の平均賃金)を採用することになります。たとえ、その者が大学院卒業者であっても、高校卒業者であっても同じです。

 

イ 例外
家事従事者のうち、専業主婦については上記の平均賃金を当てはめて休業損害を算定することになります。

 

問題は兼業主婦の場合です。兼業主婦の場合は、家事労働をこなすほかに、自ら得た所得があります。したがって、自ら得た所得を加算することができるのか、という問題があります。しかし、この点は否定されています。すなわち、賃金センサスの金額と自らの所得を比較して、いずれか多い方の金額を用いるということになります。

 

したがって、ある兼業主婦が、会社から給与として年間800万円を受け取っている場合は、800万円を基準として休業損害を算定します(上記の女子労働者平均賃金が、800万円を超えることは目下のところあり得ないと考えます。)。
一方、その兼業主婦が、給与として年間100万円しか受けとっていないような場合は、より多額の賃金センサスの金額を用いて休業損害を算定することになります。

 

ウ 一人暮らしの場合

事故の被害者が一人暮らしの場合(一人暮らしの家事従事者)、実務は休業損害を否定します(東京地判平22・2・9交民43・1・123)。
理由は必ずしも明らかではありませんが、おそらく、家事従事者に休業損害が発生するためには、自分以外の第三者に対し家事労働力を提供していることが必要と考えられているためではないかと思われます。自分自身のために家事労働を行っている場合は収益を生まないので、休業損害を認めなくてもよいということです。

 

3 休業期間

休業日数(休業期間)については、他の場合と同様の考え方が当てはまります。主婦が、現実に家事労働に従事できなかった期間が、休業期間となります。その場合、受傷内容、受傷部位、治療経過、回復の度合い、被害者の年齢、家族構成などを総合的に考慮して休業割合を決定します。

 

交通事故の被害者など法的なトラブルでお悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

池井戸潤「シャイロックの子供たち」

作家の池井戸潤の「シャイロックの子供たち」を読みました。

この作家は、最近、半沢直樹シリーズやルーズベルト・ゲームなどのドラマ化でとても人気のある作家です。

 

特に銀行を舞台にした小説が多いのですが、この本も銀行を舞台にして銀行員や取引先などの人間関係などを描いた10話からの短編小説です。

 

どれも痛快なストーリーで読みやすくておもしろい小説だと思います。

1話ずつ読めますので、電車の中などで読みのにもいいと思います。

 

お薦めしますので、興味のある方はお読みください。

 

 

神戸地方裁判所尼崎支部の新庁舎

先日、神戸地方裁判所の尼崎支部に交通事故の訴訟で行ったところ、新しい庁舎がオープンしていました。

 

  

 

数年前から工事をしていましたが、ようやく完成したようです。

 

ただ、以前の建物も残っているため、入口が分からず、もう少しで期日に遅れるところでした。

 

兵庫県内では、最近、明石支部も工事が終わって、新しい裁判所の庁舎がオープンしています。

 

 

 

 

東野圭吾「眠りの森」

作家東野圭吾の「眠りの森」を読みました。

この作家は、ガリレオシリーズで有名な作家です。

私も好きな作家の一人で、「容疑者Xの献身」とか「秘密」などが良かったですね。

 

この作品は、加賀刑事のシリーズの一つで、バレースクールとバレリーナを巡る殺人事件を描いた推理小説です。

 

正直、おもしろかったですね。

どこがおもしろかったかは、読んだときの楽しみということで・・・。

 

皆さんにお勧めしますので、ぜひ読んでください!

六甲山の紫陽花

いよいよ梅雨ですね。

梅雨の時期の花といえば、紫陽花です。

 

先日、六甲山を歩いていると紫陽花がいろいろなところで咲いていました。

    

 

    

心が癒やされますね。

 

 

家賃の減額について

アパートを借りて長年住んでいる方から、周りのアパートに比べて家賃が高いのではないかという相談を受けることがあります。

収入も減っているため、家賃を減額して欲しいという場合に、どうすればよいでしょうか。

 

今回はこの問題について、考えてみたいと思います。

 

まず、借地借家法32条が、建物の賃料増減請求について規定しています。

 

そこでは、具体的には、建物の賃料が①土地建物に対する租税等の負担の増減②土地建物の価格、その他の経済事情の変動③近傍同種の建物の賃料との比較―により不相当となった場合には、契約の条件にかかわらず、建物の賃料の減額を請求できると規定されています。

 

本件では「周りのアパートに比べて家賃が高い」ということですので、③に該当し、賃料の減額を請求できる可能性があります。

ただし、比較の対象となる「近傍同種の建物」は、ある程度、契約条件や物件の状況などが共通している必要があり、単に近所のアパートより賃料が高いというだけではこの要件に該当しない恐れがありますので、ご注意ください。

 

次に、賃料減額を請求する方法ですが、まずは、賃借人から賃貸人に対して、賃料減額を求める意思表示を行う必要があります。

意思表示は口頭でも可能ですが、後に調停や訴訟で請求権行使の時期などが争われる可能性もありますので、内容証明郵便などの書面で行うことをお勧めします。

 

賃借人が、賃料減額請求の意思表示をすることで、直ちに契約関係が変更され、賃料額も減額されることになりますが、その金額は、必ずしも賃借人が求めた金額になるわけではありません。

当事者間で賃料額についての協議が調う場合には、当事者間の合意により減額された金額が新たな賃料額となります。

 

調わない場合には、相当な賃料額を定めるため、裁判所に調停を申し立てる必要があります。
調停手続で合意が成立しなかった場合には、訴訟を行う必要があり、裁判所に相当な賃料額を判断してもらわなければなりません。

 

借家借地契約など、不動産のトラブルでお悩みの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

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