7月2016

子ども名義の預貯金と財産分与

夫婦が離婚する際に、子ども名義の預金をどのように扱いかが問題となることがあります。

例えば、①親類から子どもにもらったお年玉などを貯めた預金口座と、②夫婦で子どもの将来のために積み立てをした預金口座があった場合に法的にどのように取り扱われるのかについて考えたいと思います。

 

まず、夫婦は婚姻期間中に働いて収入を得たり,家を購入したりするなど、共同で財産を築きます。通常,離婚にあたり、財産分与という夫婦間の財産関係の清算が行われます。

そして、夫婦の一方が応じない場合は,分与するよう請求することもできます。
この場合に、財産分与の対象となるのは,夫婦が婚姻期間中に共同で築いた財産です。

 

これに該当するかどうかは,財産の種類,形成の趣旨や目的などを、総合的に判断して決めていきます。

したがって、名義が子どもや夫でも、分与の対象になります。

 

今回の事例では、①親戚から子どもにもらったお年玉などを貯めた②夫婦で子どもの将来のために積み立てした-という子ども名義の預金について,分与の対象となる財産かを見ていきます。

 

①については,子どもが親戚からもらったお年玉などで、贈与を受けた子どものお金といえます。夫婦が婚姻期間中に共同で築いた財産とはいえず、分与の対象となる財産には該当しないでしょう。

 

②については,もともと夫婦のお金の中から少しずつ積み立てをしたので,夫婦が婚姻期間中に共同で築いた財産として分与の対象となるといえそうです。
もっとも,この預金は,子どもの将来のために使用されることが予定されています。夫婦から子どもに贈与された財産といえるような場合は,分与の対象にならないと考えられ,このような判断をした裁判例も存在します。

 

離婚や財産分与などでお悩みの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

 

死後に遺言書を見つけたとき

亡くなった父の書斎から、父が書いたと思われる遺言書が見つかった場合に、どのようにしたら良いのか。

今回はこのようなケースについて考えたいと思います。

 

まずは、遺言書を開封せずに家庭裁判所に提出する必要があります。

民法1004条1項によると、遺言書の保管者が相続の開始(遺言をした人の死亡)を知ったとき、または、相続人が遺言書を発見したときは、遅滞なく、家裁に提出して、「検認」を請求する必要があります。

ただし、公正証書による遺言の場合、検認は不要です(同条2項)。

 

遺言書の検認は、その形式その他の形状を調査・確認して、状態を確定し、現状を明確にする手続きです。

目的は、遺言書が後日に偽造・変造されることを防止し、その保存を確実にすることにあります。検認調書が作成され、どのような用紙に、どのような筆記具で、何と書いてあり、何と署名されているか、印や日付はどうなっているかなどが記載されます。
このように、検認は、遺言書を確実に保存するための手続きであり、遺言の有効や無効を判断し確定するものではありません。

したがって、検認を経た遺言の効力を後に争うことは可能です。

 

このケースでは、お父さまが自分で書いた遺言(自筆証書)であると思われることから、検認が必要です。

提出先は、相続開始地、つまりお父さまの住所地を管轄する家裁です。
封印のある遺言書は、家裁において相続人またはその代理人の立ち会いがなければ、開封することができません(民法1004条3項)。

 

家裁は、期日を定めて相続人全員を呼び出します。

呼び出しを受けた相続人が家庭裁判所に来なかったときは、その立ち会いがなくても、遺言書を開封していいとされています。

遺言書を家庭裁判所に提出しなかったり、家庭裁判所外で開封したりすると、5万円以下の過料に処せられます(民法1005条)。

また、遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿すると、相続人となれません(民法891条5号)ので、ご注意ください。

 

遺言や相続でお悩みの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

 

三浦しをん「仏果を得ず」

作家の三浦しをんの「仏果を得ず」を読みました。

 

この作家は、最近人気のある作家で、直木賞を受賞し、最近映画化もされた「まほろ駅前多田便利軒」のほか「風が強く吹いている」や「神去なあなあ日常」などが代表作です。

この作品は、人形浄瑠璃の大夫を主人公として、人形浄瑠璃の世界やそこで生きる主人公を始めとした人々の思いや生活などを描いています。また、その中に、主人公の恋愛も絡まってきます。

 

この作家は、ストーリーがおもしろく、また読みやすい作家で、最近、私がよく読む作家のひとりとなっています。

 

この作品も読みやすくておもしろいので、皆さんに強くお薦めします!!

 

会社の飲み会後の事故と労災認定

先日、会社の飲み会から仕事に戻る途中の事故で亡くなった社員の妻が起こした裁判で、最高裁判所は「当時の事情を総合すると会社の支配下にあったというべきだ」として労災と認める判決を言い渡しました。

 

これまで飲み会の後の事故は労災と認められないケースがほとんどですが、この判決では個別の事情を考慮して労災を認めています。

 

この事件では、亡くなった男性は上司から会社の歓送迎会に誘われ、忙しいため断りました。

しかし、再び出席を求められたため酒を飲まずに過ごし、同僚を送って仕事に戻る途中で事故に遭いました。

 

労災と認められなかったため妻は国に対して裁判を起こしましたが、1審と2審は「自分の意思で私的な会合に参加したので労災ではない」として退けられ、上告しました。

これに対して、最高裁は、当日の男性の行動は上司の意向を受けたもので、会社からの要請といえると指摘したうえで、歓送迎会は上司が企画した行事だったことや、同僚の送迎は上司が行う予定だったことを挙げ、「当時の事情を総合すると会社の支配下にあったというべきだ」として、1審と2審の判決を取り消し、労災と認めました。

 

これまでの裁判例では、会社の飲み会に参加したあとの事故は、特別な事情がないとして労災と認められないケースがほとんどです。
会社の飲み会に参加した後の事故が労災かどうかは、飲み会の目的や本人の立場、費用の負担が会社か個人か、そして会場が会社の中か外か、といった点から判断されます。
そして、例えば上司に誘われて居酒屋で飲むような場合は、業務との関連性が薄いとして労災と認めない判断が定着しています。

 

こうした中で、今回の最高裁は、「男性は歓送迎会に参加しないわけにはいかない状況に置かれ、その後、残業に戻ることを余儀なくされた」として、事故に遭うまでの一連の行動は、会社の要請によるものだと認めて、労災と認定しています。

 

労働者の置かれた個別の事情を踏まえた適切な判断だと思います。

 

労働災害など労働問題のトラブルでお悩みの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

養育費の増額

調停で一旦合意をした養育費の増額を請求することはできるのでしょうか?

今日はこの問題を考えてみたいと思います。

 

例えば、子どもが高校に進学して教育費や生活費が急に増えたような場合に、相手方に対して養育費の増額を請求できるのでしょうか?

 

養育費は、最初に決めた時に比べて生活状況が大きく変化したなど「事情の変更」が認められる場合には再度決め直すことができます。

ただ、「事情の変更」は、決めた当時に予想が困難であったものであることが必要です。

 

そのため、通常必要と思われる教育費を理由とした増額は難しいと思います。

入学金などの一時的な経費や塾の費用等については通常の養育費とは別に特別経費として話し合うことができます。

 

また、子どもが大病を患って多額の医療費がかかるといった事情のある場合も増額を請求できると思います。

 

ただし、子どもの教育費などが大幅に増加したとしても相手の収入が増えていなければ現実には増額が難しい場合があるでしょう。

 

いずれにしても、できれば、調停で養育費の額を決める際に、将来、大学進学費用など特別の費用が必要となった場合には別途協議するなどの文書を入れておく方が良いと思います。

 

離婚や養育費などでお悩みの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

吉本新喜劇

先日、大学時代の友人が大阪に来ましたので、なんばグランド花月で吉本新喜劇を見ました。

  

生で見るのは4度目ぐらいですが、やっぱりおもしろいですね。

 

大体の構成は、漫才が1時間、新喜劇が1時間で、今回は漫才ではカウス・ボタン、こだま・ひびきが

メインで、新喜劇はスッチーが座長でした。

 

小さい頃からテレビで見てきましたが、抜群のテンポと間で、大笑いしてしまいます。

座席はほぼ満席でしたね。

 

ただ、残念なのは、酔っ払いなど客のマナーが悪いことです。

 

皆さんも、笑いに行かれてはどうですか。

養育費の支払期間~いつからいつまで~

離婚する夫婦の間に未成年の子どもがいる場合,その子どもの親権・監護権を夫か妻のどちらかに決める必要があります。

 

子どもを監護する親(監護親)は,子どもを監護していない親(非監護親)に対して,子どもを育てていくための養育に要する費用を請求することができます。

この費用が「養育費」というものです。離婚をしたとしても親として当然支払ってもらうべき費用ということになります。

 

今回は、この養育費について、いつからいつまでもらうことができるのかについて考えたいと思います。

 

まず、養育費は,原則として請求した時点以降からもらえることになります。

過去に遡って請求することはできません。

 

したがって、相手方が任意に支払に応じてくれない限りは、過去の未払いの養育費はもらうことはできません。

離婚の際は,養育費について忘れずに協議しておくことが大切です。

 

また,養育費が請求できるのは,原則として子が20歳になるまでです。

そのため,子どもを大学に進学させたいと考えている場合には,大学卒業まで養育費をもらいたい旨を,離婚協議や離婚調停でしっかりと主張し,非監護者(義務者)を説得する必要があります。

 

合意でまとまらなければ,裁判官の判断に委ねることになりますが,現在大学に在籍しているなど特別な事情がない限り,大学卒業まで養育費を認めてもらうことはできないと考えておいたほうがよいでしょう。

 

なお,養育費は,通常,月々の分割払いです。

分割払いであると,今後,相手が払い続けてくれるかどうか不安…という方がいるかもしれません。

 

しかし,相手方に一括での支払を強制させることはできません。

相手方との合意があれば,一括払いでの支払を受けることもできますが,利息分が差し引かれたり,余分な税金が発生したりしますので,その方法が妥当かどうかは,慎重に検討する必要があります。

 

離婚や養育費などの法的な問題でお悩みの方はお気軽に当事務所までご相談ください。