副業と労災について

先日、副業や兼業で働く人が増える中、厚生労働書の審議会が、労災を認定する際に複数の事業所の労働時間を合算できるよう制度を見直すとする報告書をまとめたとの報道がありました。

 

近年、格差の広がりなどから、副業や兼業で働く人は、年々、増加傾向にあります。

他方で、今の労災保険の制度では1つの事業所における労働時間などに基づいて労災を認定するため、複数の事業所で働いている人に十分対応できていないと指摘されていました。

 

すなわち、1つの事業所では、週40時間を超える残業があまりない場合でも、副業の労働時間を加えると、長時間の労働時間となるケースにおいて、これまでは、労災の認定の際に、副業での労働時間が十分に考慮されずに、労災と認定されないという実情がありました。

 

こうした中で、厚生労働省の審議会において、副業や兼業をする人が安心して働く環境を整備する観点から、労災保険の制度を見直すことが適当だという報告書をまとめたようです。

 

具体的には1つの事業所における労働時間だけでは労災と認定できない場合に、複数の事業所の労働時間や心理的負荷を合わせて総合的に判断できるようにし、給付額も複数の事業所における賃金を合算して決めるとしています。

 

今年の通常国会に労災保険法などの改正案を提出する予定だということです。

 

副業や兼業をしている方が、長時間労働により、精神的・肉体的な負荷により疾病を発症した場合に、労災が認められやすくなることが期待されます。

 

労災などでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

十日戎!

1月10日(金)に柳原えびす神社に参拝に行きました。

  

 

県庁の職員時代は、ほとんど行ったことはなかったですが。

 

弁護士も、ある面では事業ですので、毎年、この時期にはお参りにいっています。

 

事務所が繁栄しますように!!

 

商売繁盛! 笹持ってこい!!

柚月裕子「パレートの誤算」

作家の柚月裕子の「パレートの誤算」という本を読みました。

古本屋で見ていて面白そうなので、購入して読みました。

 

生活保護のケースワーカーが殺された事件で、後任の新人のケースワーカーがその真相を探るというものです。

 

それを探っていく中で、被保護者の生活実態ややくざによる貧困ビジネスの問題などが明らかになっていくというストーリーですね。

 

ジャンルとしては、ミステリーだと思います。

 

読みやすい小説ですので、お勧めします。

 

交通事故の休業損害について

交通事故で被害を受けた結果,むち打ち等の傷害を負い,怪我が治るまで仕事ができなかったという場合,その間の給料分はどのように補償されるのでしょうか。

 

交通事故に遭い,相手方に対して,治療費や慰謝料,損害賠償を請求する場合,通常は加害者の任意保険の保険会社が代理として損害賠償の交渉を行うので,事故に遭った場合は,相手方の任意保険会社に連絡をすることが多いでしょう。

 

そして,通常は相手方の保険会社から,和解(示談)による解決を求められ,具体的な内訳とともに賠償額の提示があります。
しかし,この時に注意をしなければならないのは,保険会社から提示される金額というのは,必ずしも,訴訟になった場合に裁判で決められる金額とは限らないということです。

 

 

とくに,休業中の給料分の補償(休業損害といいます。)は,その算定方法が具体的なケースによって変わりますので,裁判になった場合にどれくらいの金額を請求できるのかといった視点は持っておく方が良いでしょう。

 

休業損害は,1日当たりの基礎賃金と休業日数を掛け合わせることで計算することが通常ですが,基礎賃金をどのように計算するか,休業日数をどこまで認めるのかというのは争点になりやすい事項です。

 

基礎賃金についていえば,会社に勤務している場合には,給与明細や源泉徴収票等をベースに基礎賃金を決めるため,争いになることは少ないですが,例えば,個人事業を行っている場合には,売り上げの減少で考えるのか,固定経費分の損害で考えるのか,様々な算定の方法があり,その方法によって基礎賃金が大きく変動することがあり得ます。

 

そして,休業日数についても,実際にどの時点まで就労をすることができなかったのかを医師のカルテや意見書等の資料を証拠として提示することで,保険会社の提示した日数を上回る日数について,休業期間が認められるケースがあります。

 

このように,休業損害に限らず,弁護士に保険会社との交渉を依頼することで,保険会社からの賠償額を増額させることができるケースがあります。

 

当事務所は,交通事故での保険会社との交渉の事例を数多く扱っています。
交通事故に遭い,保険会社との交渉でお悩みの方は当事務所までお気軽にご相談ください。

書写山円教寺

先日、姫路にある書写山円教寺に行ってきました。

書写山は、姫路からバスで約30分程度のところにある山で、西の比叡山と呼ばれる山です。

 

山頂全体に、いくつもの寺院の建物があり、壮大なスケールの寺です。

一度、行ってみたいと思っていましたが、予想以上の壮大さに圧倒されました。

  

山頂までは、ロープウェイがあり、また、山頂の中もマイクロバスで回ることもできます。

 

私は、知り合いと歩いて登りましたが、標高は300m程度ですので、家族連れも多く歩いて登っていました。

 

書写山は、秀吉が中国攻めの際に本陣を構えた場所としても有名であり、大河ドラマでもロケ地になりましたし、あと、トムクルーズが主演のラストサムライでもロケ地になっています。

 

皆さんも一度、行かれてはどうでしょうか。

 

働き過ぎと労災について

皆さんは、労災といえば、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

まず、最初に思い浮かぶのは、工場などの作業現場での事故だと思います。

 

また、通勤途中で交通事故などに遭った場合も労災になることも、多くの方は知っていると思います。

 

では、仕事が忙しくて残業が多い生活を送っている中で、脳梗塞や心筋梗塞で職場や自宅などで倒れた場合はどうでしょう。

このような場合、多くの方は、もともと高血圧、高脂血症、肥満などの生活習慣病があったことを原因として、片付けてはいないでしょうか。

 

しかし、発症前の数ヶ月間以上、長時間の残業が続いている中で、脳・心臓疾患を発症した場合には、労災が認められる可能性が十分にあります。

仮に、高血圧や高脂血症などの生活習慣病を持っていたとしても、それまで通常の生活をしており、発症の主たる要因が長時間残業と認められる場合は、労災と認定されます。

 

ただ、このような長時間の残業があったとしても、多くの場合は、仕事で忙しいのは仕方ないとか、みんなも一緒だけど、他の人はなっていないということで片付けられがちです。

また、このような長時間の残業をする方は、まじめで、仕事が好きだということ、自分から進んで仕事をしていたということも影響していると思います。

 

他方で、会社側も、このような場合に、私病として扱い、健康保険の傷病手当金の支給手続きをして済ませていることが多いのが実情です。

会社側も、脳や心臓疾患などで倒れた場合に、知識が十分ないこともあり、これを労災だとイメージできないのだと思います。

同じように残業している他の従業員に、発症がない場合には、なおさらだと思います。

 

こうして、日本の職場では、長時間の残業により、脳や心臓疾患などで倒れた多くの方は、労災ではなく私病として扱われてきたという事実があります。

 

そして、私病と労災では、その救済も全く異なってきます。

すなわち、私病では、健康保険で3割の治療費を自己負担する一方で、健康保険から傷病手当金として、1年6か月間、給料の6割が支給されます。

症状が固定した際に、障害が残っている場合には、障害年金を受給することができます。

しかし、私病で倒れた場合に、会社に病気休暇の制度がない場合には、有給を使い果たすと、病気療養中であっても解雇される可能性があります。

障害が残って、働けない場合には、退職金をもらって退職せざるをえません。

この場合に、家族がいれば、将来にわたって障害年金のみで生計を維持するのは難しいでしょう。

 

これに対して、労災が認定された場合には、治療費は、その全額が療養給付として支給されるとともに、療養中は、療養に必要な期間、給料の8割が休業補償として支給されます。

また、会社は、労災での療養中は、従業員を解雇することはできません。

症状が固定した際に、障害が残っている場合には、障害年金とともに、障害の程度に応じて、労災の障害補償給付を受給することが可能となります。

さらに、会社に対して、労働契約に基づく安全配慮義務違反を理由に、給与と休業給付の差額、慰謝料、将来の逸失利益などを請求することができます。

労災の障害補償給付や会社からの賠償金の総額が、数千万円以上となることも多くあります。

 

これらの給付や賠償金により、体は元に戻りませんが、将来にわたって、家族との生計を維持できることとなります。

 

このように、私病か労災かでは、補償などの面で雲泥の差があります。

 

働き過ぎで、脳や心臓疾患で倒れた場合には、労災の可能性があると思って、近くの弁護士に相談することをお勧めします。

 

当事務所では、長時間労働による脳や心臓疾患の労災を数多く扱っている実績があります。

どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

 

 

 

 

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

昨年は、当事務所には、藤掛弁護士が加入し、弁護士2名、事務員2名の4名体制となりました。

 

今年は、もう一度、原点に戻って、「一から」チャレンジし、再構築していくつもりで臨みたいと思います。

 

 

そして、当事務所のモットーである「まじめに生きている人の正当な権利を守る」を心に刻んで、勇気とプライドを持って一歩一歩進んでいきます。

 

今年も1月1日に近くの高取山に登りました。

高取山は、約300m程度の六甲山系の山ですが、登山道には多くの茶店があり、山頂には神社があります。

また、山頂からの眺望が素晴らしいことでも有名です。

  

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

パワハラ自殺と安全配慮義務違反について

今回は、銀行の従業員が、上司からの叱責などを受けて、精神的に追い込まれて自殺したため、遺族が銀行に対して、使用者責任や安全配慮義務違反を理由として、損害賠償を求めた事件の東京地裁の判決を紹介したいと思います。

 

この事案の概要は、以下のとおりです。

Y銀行の従業員であったAさんは、書類の確認漏れなどの形式的なミスが多く、上司(主査)のB,Cからたびたび注意されていました。

Aは係長のDに異動を訴えますが実現せず,同僚に職場のことを「地獄」等と書いたメールを送ったり,母親や妹にB,Cがひどい上司であると話したりしていました。
ただ,AはY銀行のハラスメント相談窓口にB,Cからパワハラの被害を受けていることを訴えることはなく,外部通報や告発を検討したものの,結局は行いませんでした。

 

その後、同じ業務を担当していた主任の交代をきっかけにAが電話を取る回数が増え,それに伴い書類上のミスも増えたため,B,Cから日常的に強い口調で叱責されるようになりました。

Aは、妹や同僚にしばしば死にたいと訴えるようになり,Fはその旨をB,C,Dに知らせましたが,Bらは真剣に受け止めず,聞き流していました。
Aは、帰省した実家で自殺し、母親はAの自殺はパワハラが原因であると主張し,Y銀行に使用者責任(民法715条)または安全配慮義務違反等の債務不履行(民法415条)があるとして損害賠償を請求しました。

 

これに対して、裁判所は、まず、使用者責任について、ミスを指摘し改善を求めるのはB,Cの業務であり、叱責が続いたのはAが頻繁にミスをしたためであって、何ら理由なく叱責していたわけではないこと、具体的な発言内容はAの人格的非難に及ぶものではないことなどから、B,Cの叱責が業務上の指導の範囲を逸脱し、社会通念上違法であったとまでは認められないとして、両名の不法行為責任を否定し、その不法行為責任を前提としてY銀行に発生する使用者責任についてもこれを否定しました。

 

次に、債務不履行責任については、B,Cによる日常的な叱責はDも十分に認識しており、Dら上司はAの体調不良や自殺願望がB,Cとの人間関係に起因することを容易に想定できたから、Aの心身に過度の負担が生じないように、Aの異動も含め対応を検討すべきところ、担当業務を一時的に軽減する以外の何らの対応もしなかったのであるから、Y銀行には安全配慮義務違反(労契法5条)があったとしました。

 

また、 Aがパワハラの相談や外部通報等を行っていなかったとしても、AとB,CらのトラブルがY銀行においても容易にわかりうる以上、Aに対する配慮が不要であったとはいえないとしました。

 

結論として、債務不履行(安全配慮義務違反)を理由に、慰謝料など総額で約6000万円の支払いをY銀行に命じました。

 

この判決では、上司の叱責は、理由のないものではなく、人格的非難にまで及ぶことではないことを理由にパワハラ自体は否定したようにも思えます。

 

ただ、従業員が、体調不良や自殺願望などがあり、それが社内の人間関係のトラブルに起因することが容易に想定できるような場合には、従業員の心身に過度に負担が生じないように適切な対応を取ることが、それを怠った場合には、安全配慮義務違反があると認めたものと思われます。

 

パワハラや労災などの職場のトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

花園ラグビー場

先日、花園ラグビー場で、大学ラグビー選手権大会を観戦しました。

私の母校である関西学院大学と同志社大学が共に出場していましたので、応援に行きました。

 

今年は、ラグビーはワールドカップもあり、「ONE TEAM」で盛り上がりましたね。

 

以前は、ラグビーは、毎年に4~5試合程度を観戦していましたが、最近は年に1~2試合程度になっていました。

 

ラグビーは、動きや体と体がぶつかる迫力もあり、他のスポーツと比べても、生での観戦に向いていると思います。

  

 

これから、高校、大学、社会人とラグビーシーズンになりますので、皆さんも観戦に行かれてはいかがでしょうか。

 

DV別居と遺族年金

配偶者からドメスティックバイオレンス(DV)を受け、別居している妻や子どもらが夫の死後、別居を理由に遺族年金を受け取れない事例が各地であり、厚生労働省が支給を認めるよう促す指示を日本年金機構に出すことになったという報道がありました。

 

遺族年金は、被保険者が死亡した場合に、その被保険者に生計を持されていた遺族に、一定の要件のもとで支給される年金です。

 

そして、遺族年金の受給資格は、被保険者の死亡当時、その者により生計を維持されていたことが要件となっています。

ここにいう「生計維持」の認定は、「生計同一要件」と「収入要件」からなり、後者はについては、年額850万円を基準とされています。

 

DVによる別居の場合に問題となるのは、「生計同一要件」です。

というのは、別居している場合には、生計を同一にしていたとはいえないからです。

 

ただ、これまで、裁判例では、この「生計同一要件」について、長期にわたる別居状態の継続や住民票の住所が異なることにつき「やむをえない事情」の存在を認めた事例がありました。

 

こうした中で、厚生労働省が、DVによる別居についても、「やむをえない事情」と認められる場合には、支給対象とするという取り扱いをすることになったのだと思います。

 

DV被害者の妻や子どもらはDVで困難な状況に置かれるだけでなく、夫の死後に遺族年金を受け取れないと、ひとり親家庭で経済的にも苦しくなることが多い。子どもの貧困を防ぐ観点からも、支給を求める声が上がっていました。

 

今回の厚生労働省の対応は、受給を諦めていた人たちに救済の道が開けたといえそうです。

 

法的なトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

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