労災保険の給付の請求期限について

労災申請

労働者が業務中の事故などが原因でケガや病気になった場合には、労災保険から必要な給付を受けることできます。

ただし、労災保険の給付の請求には、期限があり、これを超えた場合は、時効により給付の請求ができなくなります。

請求の期限は、保険給付の種類に応じて異なります。

今回は、主な保険給付の請求の期限について紹介します。

まず、『療養補償給付』は、医療機関で治療を受けた場合に給付されるものですが、現物給付である「療養の給付」と、立て替えた費用が支給される「療養の費用の支給」があります。

「療養の給付」は、労災保険指定医療機関で治療などを受けた場合であり、この場合には、そもそも窓口での自己負担がないため期限は特にありません。

これに対して、「療養の費用の支給」は、労災保険指定医療機関以外で治療などを受けた場合であり、この場合には、いったん自己負担が発生し、その分を労災保険に請求することとなるため、請求の期限は療養の費用を支出した日の翌日から2年です。

費用を支出した日ごとに請求権が発生するため、複数回にわけて費用を支払っている場合はそれぞれの支出日に対して2年が期限となります。

『休業補償給付』は、療養のために労働することができず、会社から賃金を受けられない場合に請求できる給付金であり、休業4日目から、給付基礎日額の60%相当が支給されます。

請求の期限は、賃金を受けなかった日の翌日から2年です。

『障害補償給付』は、傷病が治癒(症状固定)した後、障害等級1~7級に該当する障害が残ったときに請求できる年金です。障害の程度によって給付基礎日額の313日分から131日分の年金が支給されます。

請求期限は傷病が治癒(症状固定)となった日の翌日から5年です。

『介護補償給付』は、障害(補償)年金または傷病(補償)年金を受けている人のうち、障害等級または傷病等級が1級または2級(精神神経・胸腹部臓器の障害を有している方)であって、現に介護を受けている場合に請求できる給付金です。

 介護の費用として支出した額が支給されますが、常時介護と随時介護でそれぞれ上限金額が異なります。

 請求の期限は介護を受けた月の翌月の1日から2年です。

『遺族補償年金』は、被災労働者が亡くなった場合に条件を満たした遺族が請求できる年金です。遺族の数などに応じて給付基礎日額の245日分から153日分の年金が支給されます。

請求の期限は労働者が亡くなった日の翌日から5年です。

このように労災保険の給付の請求には、期限があり、これを超えると時効により、請求ができなくなるので、注意が必要です。

労災に関することで、お悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)