交通事故による損害賠償

交通事故の被害者になった場合、具体的にどんな損害に対して賠償請求ができるのかお話します。
1)実際に出費した損害 (「積極損害」といいます)
- 治療費等…被害者の治療費、付添看護費、入院雑費、通院交通費等(実費)
- 葬儀関係費用…被害者が死亡した場合には葬儀費用が請求できます
- 弁護士費用…裁判の判決により勝訴額の10パーセント程度が損害として認められます(示談の場合、弁護士費用は認められません)
2)「事故に合わなければ失わずにすんだ」いろいろなこと (「消極損害」といいます)
(1)休業損害

通院、入院、自宅療養等、事故により職場を休まざるを得ず、そのためにカットされた、賃金相当の損害です。なお、専業主婦、自営業者、無職の方は別の計算方法によります。
まず、サラリーマンやOLの方の場合は、事故直前の給料を基準にして算定します。
ケガの治療のための入通院のため、給料が減らされたり、ボーナスがカットされる場合があります。
その場合は事故直前の給料を基準にして、算定します。
また、昇進や昇給が遅れた場合は、その分の損害も請求できます。
さらに、有給休暇で休んだ場合も、その日数を休業損害として請求することが可能です。
交通事故による休業損害については「交通事故の休業損害について」という記事でさらに詳しく解説しています。
(2)逸失利益

後遺症・死亡したことにより、被害者が将来的に得られるはずであった収入減少相当損害です。後遺症の場合には、事故時の年収、症状固定時の年齢、認定された級により、死亡の場合には、事故時の年収、死亡時の年齢、生活費控除率により定まります。
交通事故で被害者が死亡した場合の慰謝料については「交通事故による死亡慰謝料について」という記事で詳しく解説しています。
交通事故で後遺障害が残った場合の逸失利益の算定をどうするかについては「交通事故における後遺障害の逸失利益の算定について」という記事で詳しく解説しています。
(3)後遺症慰謝料

裁後遺症が残った場合、後遺症の等級(1級から14級)によって金額が算定されます。
高次脳機能障害について「交通事故による高次脳機能障害」という記事で詳しく解説しています。
(4)事故による車の破損(=物損)

修理可能な場合は修理費、全損の場合は時価相当額等が請求できます。
また、自動車修理中の代車使用料、高級車の場合は事故による評価損も含まれます。