遺産分割における被相続人の療養介護をしたことの寄与分
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相続人(相続する人)が被相続人(亡くなった人)に対して療養看護をしたことで、被相続人が自らの看護や介護にかかる費用を支出せずに済んだ場合、療養看護型の寄与分が認められます。
ただ、この場合の療養看護とは、被相続人につきっきりで看護や介護をしていたといえる程度でなければならず、日常生活の合間に食事の世話をしていたというケースや、入院中の被相続人をたまに見舞っていたというケースではまず認められません。
療養看護型の寄与分を認めてもらうには、前提として、以下に挙げた寄与分の要件をすべて満たす必要があります。
- 相続人による寄与であること
- 被相続人の財産が維持または増加していること
- 特別の寄与であること
- 寄与行為と被相続人の財産の維持または増加に因果関係があること
寄与分の要件にある➂の「特別の寄与」とは、被相続人との身分関係から通常期待される程度を超えるような貢献をいいます。
親族間には扶養義務があるので、病気になった被相続人の身の回りの世話をするのは、ある程度は当然のこととみなされます。
そのため、扶養義務の範囲を超えるような貢献でなければ、寄与分は認められません。
療養看護型で特別の寄与と認められるための要件は、具体的には以下のとおりになります。
- 被相続人に療養看護が必要であること
- 近親者による療養看護が必要であること
- 無償ないしこれに近い状態で行われていること(無償性)
- 療養看護が長期間継続していること(継続性)
- 療養看護の内容がかなりの負担を要するものであること(専従性)
なお、被相続人に療養看護が必要だったかどうかの判断基準として、一般的には要介護認定の結果を参考にします。
療養看護型の寄与分が認められるのは、被相続人が「要介護2」以上の状態であったことがひとつの目安となっています。
介護以外の寄与の種類や、寄与分の決め方などについて「相続における寄与分について」で詳しく解説しています。
相続の基本的な知識、解決事例や弁護士費用については「相続の相談ができる神戸の弁護士を探している方へ」のページでその種類などについて詳しく解説しています。
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