労災と健康保険②

前回、先に健康保険で医療機関を受診していた際に、後日、労災となった場合の労災と健康保険の関係について説明しました。
これに対して、今回は、労災として医療機関に受診していたが、その後、労災が認められなかった場合に、健康保険の取り扱いがどうなるかについて考えてみたいと思います。

仕事上の事故や疾病などで、医療機関に通院する場合は、被災労働者は、医療機関の窓口で労災であることを申告するとともに、労災の療養補償給付の書類を提出することとなります。
この場合は、労災では、医療費の自己負担はありませんので、窓口では医療費を支払い必要はありません。
そして、療養補償給付の申請に対して、労基署が調査して、労災認定をした場合には、労災保険から医療機関に対して、治療に要した医療費が支払われます。

ただ、労基署が調査をした結果、労災として認められない場合もあります。
この場合は、被災労働者は、医療機関の窓口で、健康保険を使用する旨を申し出るとともに、医療費の自己負担分の3割を支払う必要があります。
この時に、注意しておく必要のあることは、労災認定が認められなかった場合に、そのまま放置して、2年以上経過すると、時効により健康保険が使えなくなり、医療費を全額自己負担しなければならなくなるということです。

なお、労災認定に不服があり、審査請求をしている審査請求をしている場合は、時効がストップしていますので、審査請求の裁決があってから2年以内であれば、健康保険に切り替えることができます。

労災など仕事上のトラブルでお悩みの方は、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)