破産に伴う身分上の不利益について

破産について相談を受ける場合に、破産すると何か不利益や権利の制限を受けますかという質問を良く受けます。

今回はこの問題について考えてみたいと思います。

 

1 まず、破産宣告を受け、破産管財人が選任された場合には、破産者は、説明義務を負担し、居住制限、通信の秘密制限を受けますが、それらは管財業務に協力させるためのもので、ペナルティではありません。

 

また、破産法は、破産宣告によっては、破産者に懲罰的効果を及ぼさないという考え方で作られており、例えば、破産宣告により選挙権を失うようなことはありません。

 

ただ、各種の法令により、それぞれの個別の政策的な目的から、破産者に関する資格制限を設けられている場合があります。

 

2 破産者は、成年後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、遺言執行者になることができません。

 

これらの職は、他人の財産の管理に関わる職務を遂行する機関である以上、経済的破綻者に対して委ねることは不適当と考えられるためです。

 

同じ理由で、破産者は、各種法人の理事、合名会社、合資会社の無限責任社員、株式会社、有限会社の取締役、監査役になることができません。

破産宣告時にそれらの地位にある場合には、退任しなければなりません。

 

3 破産者に対して、公法上制限されている資格としては、弁護士、弁理士、公認会計士、公証人等があります。

これらは、他人の財産の管理に深く関わる職務についての資格ですから、やはり経済的に破綻した者に認めることは不適当であると考えられるためです。

 

これに対して、医師、歯科医師、看護婦など公法上格別の制限規定が設けられていない資格は、仮に破産宣告を受けたとしても、失われることがありません。

 

もっとも、保険会社の外務員等欠格事由が特別に定められている場合もありますから、資格制限が心配な方は、事前に自己の職務に関する業法のチェックを弁護士に依頼しておくべきでしょう。

 

 

4 破産宣告に伴う私法上、公法上の資格制限は、復権によって消滅します。 復権事由は、免責決定の確定、破産宣告後10年の経過、又は、復権の裁判等です。

 

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