百条委員会

最近、東京都の築地市場の豊洲移転を巡って、東京都議会に百条委員会を設置して、石原元知事の証言を求めることなどが話題となっています。

では、この百条委員会とは、どのようなものでしょうか。

地方議会には、地方自治法100条に基づいて強力な調査権が与えられています。

これは、国会の国政調査権に対応するものと言われています。

調査権の内容は、自治体の事務に関する調査を行い、当該調査を行うため特に必要があると認めるときに選挙人その他の関係者の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができます。

そして、出頭又は記録の提出をけた選挙人その他の関係人が正当な理由がないのに議会に出頭せず、若しくは記録をしないとき、または証言を拒んだときは、6か月以下の禁錮又は10万円以下の罰則に処せられます。

また、虚偽の陳述をしたときは、3か月以上5年以下の禁錮に処せられます。

このように、地方議会の100条調査権は、関係者の出頭や証言について強制力があり、また虚偽の証言をした場合には、刑罰が科せられるなど非常に強い権限が与えられています。

この100条調査権は、議会に与えられたものであり、委員会に与えられたものではありませんが、通常は、100条調査は、100条委員会と呼ばれる特別委員会を設けて実施されています。

ただし、100条委員会が権限を行使するには、地方議会の個別具体的委任が必要となります。

これまで、100条委員会は、自治体の事務に関して疑惑や不祥事があった際、事実関係を調査するために設けられてきました。

リクルート事件を調査した川崎市の100条委員会などが有名ですね。

100条委員会は、非常に強力な調査権であり、自治体の事務に関する疑惑の追及などに効果的である反面、強制力を伴う調査権であることから慎重な運用も求められると思います。

自治体法務についての相談や訴訟などは、どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

神戸山手法律事務所 弁護士 津田和之 電話 078-335-5122 メール kobeyamate.law@gmail.com

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この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)