遺産分割の無効・取消し①

一旦、遺産分割協議によって成立した遺産分割は、無効や取消となる場合を除いて、原則として相続人全員の同意がない限りやり直すことはできません。

では、遺産分割協議が無効・取消しとなるのはどのような場合でしょうか。

まず、遺産分割協議や調停は、相続人全員による合意があって初めて有効に成立します。

そのため、遺産分割協議や調停において、共同相続人が一人でも欠けていたときは、その遺産分割は無効となります。

この場合に、遺産分割に際し、他に相続人がいることを知っていたかどうかは関係ありません。

例えば、行方不明となっていた相続人を除いて、残りの相続人のみで遺産分割の合意をしたような場合です。

この場合、従前欠けていた相続人を交え、再度、遺産分割をやり直す必要があります。

但し、被相続人の死亡後に認知請求がなされたことにより(いわゆる死後認知)、被相続人の子が新たに相続人となったという事案では、すでに遺産分割が終了している場合には金銭のみによる調整となります(民法910条)。

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