遺言執行者

遺言はその内容が実現されなければ意味がありません。
「遺言執行者」とは遺言者の遺言どおりに実現してくれる人のことです。

遺言には,相続人以外への遺贈など,財産処分に関する遺言者の意思が書かれている場合があります。
指定された人たちはその意思に従うわけですが,たとえば,遺言者の一方的な遺言によって財産が特定の受遺者の手に渡る遺贈の場合など,その保管や引き渡し,登記といった遺言を執行するための様々な手続が発生します。

そういった手続を行うのが遺言執行者です。
ここで,遺言執行者を指定することで遺言者並びに相続人にとって,どんなメリットがあるかを簡単に説明したいと思います。

1 遺言者にとって
相続に関する手続については遺言執行者が単独で行う権限がありますので,他の相続人が勝手に財産を処分したり,手続を妨害したりするような行為を防ぐことができ,遺言の内容を確実に実行できます。

2 相続人等にとって
遺言執行者は相続人全員の代理人とみなされ,代表として手続をするので,大幅に手間が省略され,迅速に処理することができます。
不動産の遺贈などの場合は,遺言執行者が登記義務者である相続人の代理人となるので,スムーズに移転登記ができます。

遺言執行者は,「すべての相続人の代理人であり,遺言を滞りなく執行する」ことが仕事です。
つまり,遺言の内容のとおりに実行できるかどうかは,遺言執行者次第ということになります。

遺言の内容が複雑な場合,不公平な分割割合を考えている場合,遺贈がある場合等,相続人間でトラブルが生じそうな遺言書を作成する場合は,遺言執行者は専門家である弁護士に依頼した方が安心だと思います。

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)