遺言を残した方が良いケース⑪~⑫

遺言書を残した方が良いケースとして,⑪「自営業者や農家である場合」があります。
 
自営業者や農家の場合、事業用資産は、事業の後継者に相続させる必要があるでしょう。
相続人間で財産を分散すると家業が継続できなくなる場合があるからです。
 
そこで、遺言を残し、後継者には事業用資産を中心に他の相続人よりも多く相続させ、その代わりに事業負債を負担させたりする、といった対応が求められます。
 
また、事業に貢献した後継者には寄与分を考慮した相続分を指定することも可能です。
 
なお、中小企業については、後継者への事業承継を円滑にするために、平成20年に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 」が制定されています。

次に,⑫「自宅等以外に分ける財産がない場合」があります。
 
相続する財産が自宅以外にない場合、自宅を売却し、その売却代金を分けるといった事態も考えられます。
すると、残された配偶者が住む家に困るケースも出てくるでしょう。
 
このような場合も、「住居は特定の相続人に残す」などといった内容を遺言書に記せば、特定の相続人に特定の財産を残すことができます。
 
他の相続人に遺留分を確保しなければなりませんが、それ以外の全財産は特定の相続人に相続させることができるのです。

この記事を書いた人:津田和之弁護士

photo神戸山手法律事務所で弁護士に従事する傍ら、関西学院大学 大学院司法研究科教授も務める。また、役職として、加古川市コンプライアンス法務アドバイザー (2013年4月~)、西宮市法務アドバイザー (2015年4月~)、兵庫県児童虐待対応専門アドバイザー (2012年6月~)、加古川市審理員 (2016年4月~)、稲美町審理員(2018年5月~)、三田市オンブズパーソン (2020年4月~)