認知症の徘徊と損害賠償

先日、徘徊癖があった認知症の女性(当時76歳)が通所先のデイサービスセンターから抜け出して死亡したことについて、遺族が施設に対して損害賠償を求めた事件の判決があり、裁判所は施設側の責任を認めて、約3000万円弱の支払を命じました。

 

判決によると、女性は2012年11月にアルツハイマー型認知症と診断され、13年12月から施設に通い始めた。

14年1月23日昼ごろ、施設非常口から抜け出し、3日後に施設から約1.5キロ離れた畑で死亡した状態で見つかった。司法解剖で死因は凍死と判明した。

 

裁判長は「施設職員は女性に徘徊癖があることを認識しており、見守る義務があるのに違反した。施設は職員を指導監督するべきだった」と指摘しました。

 

これに対して、施設側は「抜け出しても死亡までは予見できない」との主張をしましたが、裁判所は「徘徊すれば独力で帰ることはできず、低体温症で死亡することは十分あり得る。義務違反と死亡に因果関係がある」と結論づけています。

 

近年、高齢者の施設での転倒などの事故が増加しており、家族から施設側の管理責任を問うケースも増えています。

ただ、施設側は、管理体制は十分だったが、防げなかったと主張して、見舞金程度で済ませようとすることが多く見られます。

 

しかし、施設は個々の高齢者の状況に応じて適切に監護などを行う義務がありますので、施設内の事故であれば、多くの場合は、施設の責任は免れないと思います。

 

高齢者の施設などの事故などで、お悩みの方はどうぞお気軽に当事務所までご相談ください。

 

 

 

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