行方不明の配偶者との離婚

配偶者の一方が、行方不明になってしまった場合に、残された相手は離婚できるでしょうか。

配偶者の行方がわからないということですが、生死自体がわからない場合と、生きてはいるだろうけれどもその所在がわからないという場合が考えられます。

前者の生死自体がわからない場合は、民法では配偶者が「三年以上生死不明」の場合、それだけで離婚が認められます(民法770条1項3号)。

ただ、生死を確かめるためには、まず、配偶者の所在を探さなければなりません。

通常は、警察に捜索願を出したり、配偶者の親類に所在を知らないか問い合わせをすることになるでしょう。

しかし,手を尽くしても配偶者の所在がわからない場合は、所在不明のままで離婚裁判をすることができます。

通常は、裁判の前にまず離婚調停を申し立てなければならないのですが、相手の所在が不明では話し合いで進める調停の手続はできませんから、直ちに家庭裁判所に離婚の訴訟を起こします。

訴状は被告に送達することが必要ですが、この場合には、普通の郵便による送達は不可能ですから公示送達という方法が認められています。

裁判所の掲示場に呼出状等を掲示する方法です。

この場合、通常、被告が期日に来ることのないままで訴訟手続は進められ、原告の提出する証拠で離婚原因があると判断されれば、離婚判決を得ることができます。

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