ハーグ条約が発効!!
国際結婚が破綻した夫婦間の子供の扱いを定めたハーグ条約に日本が正式に加盟し、4月1日に発効しました。
ハーグ条約の正式名称は「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」といいます。
この条約では、離婚した夫婦の一方が無断で16歳未満の子供を国外に連れ去り、もう一方が返還を求めた場合、原則として子供を元の国に返したうえでどちらが育てるかを決めることになります。
これは、親権に関する手続きは子供がそれまで居住していた国でとるのが望ましいとの考えに基づいています。
子供の返還申請があった場合、当事国の当局(日本は外務省)が子供の所在を確認し、当事者の話し合いによる解決を目指し、決着しなければ、子供が連れ去られた先の国の裁判所の判断を仰がなければなりません。
ただ、裁判所が子供に危害が及ぶ恐れがあるとの結論を出せば、返還命令を見送ることになります。
ハーグ条約は、国際結婚の増加に伴い、両親が国境を越えて子を奪い合う状況を防ぐべきだとの声が高まったことから1980年につくられたましたが、主要8カ国では日本だけが加盟しておらず、国際問題となっていました
日本が加盟に慎重だったのは、日本人女性が外国人男性と結婚する場合が多いことが背景にあり、国際結婚が破綻して日本人女性が海外から子供を連れて帰るケースが多いため、条約加盟で子供をいったん元の国に返す必要が出てくることを懸念する声が多かったためです。
ただ、他方で、子供を連れ帰った母親が「誘拐犯」として刑事訴追される深刻なトラブルが発生しており、米国などからは早期加盟を求められていました。
日本の場合、海外で配偶者やパートナーによる暴力(DV)を受けた女性が子供を連れて帰国したケースも多いと言われています。
もちろん、DVや虐待は元配偶者から子供の引き渡しを拒む理由となりますが、元の居住国で証拠を集め立証するのは難しいとの指摘があります。
いずれにしても、条約が発効した以上、今後、日本国内での十分な体制づくりが課題になると思います。