個人再生における退職金の取り扱いについて

個人再生をしても解雇事由には該当しませんし退職する必要もありません。

ただ勤務している会社等から支給される退職金が破産者の財産とみなされます。

退職金は将来の債権である場合が多いです。

破産者が確実に手にできるかどうか分かりませんし,また退職金債権が差し押さえられた場合でも債権者に配当しなければならないのは4分の1のみです。

個人再生認可決定時に既に破産者が退職していたり,退職が間近でしかも退職金の支払いをまだ受けていなければ退職金の4分の1が財産とみなされます。

しかし,退職がまだ先である場合には退職金が確実に受領できるか不明ということもあり,個人再生認可決定時に自己都合退職した場合に支給される退職金予定額の8分の1を財産とみなす裁判所が多いようです。

なお,確定給付企業年金(確定給付企業年金法34条)や確定拠出年金(確定拠出年金法32条),厚生年金基金(厚生年金保険法41条,136条)は全額差押禁止債権ですので財産とは見做されません。

中小企業退職金共済も同様に差押禁止財産ですので,財産とは見做されません。

ただ,この場合も,加入の事実,場合によっては現在の積立額などを証明する資料の提出が必要となります。

そして,既に退職していたり退職が間近だったりして4分の1が財産とみなされた場合には再生計画における支払総額は多くなりますが,個人再生認可決定後に受領した退職金から4分の1を債権者に支払うことができる場合が多いでしょう。

問題はまだ退職が先で8分の1が財産とみなされた場合です。

金額にもよりますが再生計画における支払総額は多くなるのに毎月の給与は限られているのですから再生計画が認可される可能性に影響が出てくるでしょう。

退職金の支払いを既に受けている場合には現金預金となりますので,退職金を受領していない場合と比較すれば多くの金額を債権者への支払いに宛てることになります。

従って,個人再生するのであれば退職前にしておかないと退職金もほとんど手元に残らないことになります。

退職金が出れば,借金を全額返済できるという思いで無理をして支払いを続けておられる方もいるでしょうが,退職金は自分だけのものではなく,永い間自分を支えてくれた家族の今後の生活のためのものでもあるのですから,退職前に個人再生の手続をすることも考えていいと思います。

個人再生を考えられている方は,どうぞお気軽に当事務所までご相談ください。


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